ビットコインの生みの親、サトシ・ナカモト氏の資産が、マイクロソフト（Microsoft）の共同創業者ビル・ゲイツ氏の純資産を上回ったとの分析が出た。
3日（米国時間）、ブロックチェーン分析企業「アーカム・インテリジェンス」の追跡データによると、サトシ氏と推定されるウォレットには、約190万ビットコインが保管されているという。
ビットコインの価格が、4日（日本時間）午前に一時10万6,000ドル（約1,517万7,140円）を記録したことで、サトシ氏の資産価値はわずか1日で約25億ドル（約3,579億5,143万円）増加し、約1,167億ドル（約16兆7,120億円）に達したとされる。同時点でゲイツ氏の純資産は、リアルタイム集計基準で1,162億ドル（約16兆6,393億円）とされ、サトシ氏がゲイツ氏の資産を上回ったと分析された。
ビットコインは、5月に大幅な価格上昇を記録した。暗号資産データ分析会社「クリプトクオント」が公開したチャートによると、5月初旬にビットコイン価格が10万ドル（約1,431万9,565円）を下回っていた際、取引所から大量のビットコインが流出したことが示されている。これは多くの投資家がビットコインを売却せずに保有する戦略を選択したことを示唆している。
その後、価格が10万8,000ドル（約1,546万3,507円）を突破すると、大量のビットコインが取引所に流入した。一部の投資家が利益確定のために売却に出たとみられ、その後再び取引所からの純流出が観測され、市場は安定を保った。投資家たちは更なる上昇を期待し、資産を安全なウォレットに移したとみられる。
ビットコインの創始者サトシ氏の正体は、今も謎に包まれている。15年以上経過しても、誰も彼の実名を明らかにすることができず、2011年以降、彼は完全に公の場から姿を消した。彼が作り出したビットコインは、現在の時価総額2兆ドル（約286兆3,098億円）を超える巨大なデジタル生態系へと成長した。
興味深いのは、サトシ氏のウォレットからは1サトシ（0.00000001 BTC・ビットコインの最小の通貨単位）さえも移動したことがないという事実だ。仮想通貨関連のニュースサイト「U.Today」などによると、多くの専門家や投資家がこのウォレットを注視しているが、当該資産は今まで全く手付かずの状態のままだという。このため、多くの人々はこの資金が永遠に凍結された状態である可能性が高いとみている。
もしこの資金が市場に流出した場合、暗号資産市場に大きな衝撃を与える可能性があるため、潜在的リスクとしても評価されている。この報道を受け、一部の業界関係者はビットコインが伝統的な資産と比較しても決して劣らない富の蓄積手段であることを改めて証明したと評価している。