
ロシアは6日、ウクライナの首都キーウを含む複数の地域に対し、ドローンとミサイルを用いた大規模な空爆を実施した。ウクライナ側によると、この攻撃で少なくとも4人が死亡し、20人が負傷した。交通インフラにも甚大な被害が出ており、鉄道の運行にも支障が生じている。
クレムリン「すべての目標を破壊、作戦は成功」
ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は6日、記者団に対し「今回の軍事行動は、テロ政権と化したウクライナへの正当な対応である」と述べた。さらに、「我が軍は長距離の陸海空兵器を総動員し、ウクライナの設計局や兵器製造・修理施設、無人機の組立工場、飛行訓練センター、軍用装備の保管庫などを標的に空爆を実施した」と主張。「すべての目標を正確に攻撃し、作戦目標を達成した」と成果を強調した。
相互攻撃が激化、数百機のドローン迎撃と報復空爆も
一連の攻撃は、ウクライナが1日にロシア国内に持ち込んだ無人機で空軍基地を攻撃し、戦略爆撃機多数を破壊したことへの報復とみられている。これに先立ち、トランプ前米大統領がプーチン大統領との電話会談後に「プーチン氏が強力な報復を宣言した」と明かしていた。
ウクライナ軍によると、ロシア軍の攻撃は6日未明まで続き、キーウや複数の都市で406機のドローンやミサイルを撃墜したとしている。目撃者は「空には自爆型ドローンの音が響き、ウクライナ側の対空砲火も激しかった」と証言。多くの市民が地下鉄駅や地下駐車場へと避難した。
西部テルノーピリでは電力供給の一部が停止し、北西部ルツクでは住宅や官公庁舎が損壊、少なくとも5人が負傷した。
また、ウクライナ軍は同日未明、ロシア南部とモスクワ近郊にある2つの飛行場および燃料貯蔵施設に対する報復空爆を実施したと発表。これらの施設はロシア軍のミサイル攻撃を支援する空中給油機や護衛戦闘機が展開する拠点であるという。