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1992年LA暴動以来の危機?トランプ大統領「内乱ではない」と断言も、ペンドルトン海兵隊基地が厳戒態勢に突入

川田翔平 アクセス  

引用:Depositphotos

米カリフォルニア州・ロサンゼルス(LA)に州兵の派遣を命じたドナルド・トランプ米大統領は、現時点でLAへの連邦軍投入の意向はないと明らかにした。LAで暴力的な抗議デモが発生しているものの、まだ「内乱」の段階には至っていないと述べた。

CNNなど現地メディアによると、トランプ大統領は8日(現地時間)、ニュージャージー州モリスタウン空港で記者団と会見した。トランプ大統領は内乱法を発動する準備ができているかとの質問に対し、「それは内乱の発生如何による」と回答した。現時点で内乱が発生していると考えるかとの問いには「そうではない。ただし、暴力的な人々がおり、我々は彼らを放置するつもりはない」と述べた。

米国は連邦制を採用しているため、大統領が国内の日常的な治安維持のために連邦軍を投入することはできない。トランプ大統領は7日、LAに2,000人の州兵を派遣する大統領覚書に署名するため、米法典第10編第12406条を利用した。同法は「米政府の権威に対する反乱や反乱の危険がある場合」合衆国政府が州兵を配置できると規定している。

トランプ大統領は7日の覚書で、カリフォルニア州兵の指揮権をピート・ヘグセス米国防長官に委譲し、LAの連邦職員と政府資産の保護を指示した。しかし、へグセス長官は7日、ソーシャルメディアX(旧Twitter)への投稿で、カリフォルニア州南部にあるペンドルトン海兵隊基地が厳戒態勢に入ったと明かした。さらに、暴力行為が続く場合、州兵を支援する可能性があると強調した。

州兵ではなく連邦軍が米国内で動員されるには、1807年に制定された「内乱法(Insurrection Act)」の発動が必要となる。同法によれば、連邦大統領は米国内で暴動や内乱が発生した場合、国内での連邦軍動員が可能であり、州政府の要請に応じて州兵を連邦管轄下に編入し指揮できるとされている。連邦大統領は州政府の状況が極めて混乱し、通常の手続きを踏むことが困難と判断した場合、州政府の同意なしに連邦軍の投入および州兵編入の措置を講じることができる。

内乱法が最後に発動されたのは、1992年のロサンゼルス暴動でだった。当時のジョージ・H・W・ブッシュ前大統領は暴動対応のため行政命令を発し、連邦軍を投入した。

これに先立ち、米メディアはトランプ政権1期目の2020年5月、ミネソタ州・ミネアポリスで発生した黒人の人権を訴える抗議デモが数か月間続いたため、トランプ大統領が内乱法発動を検討していると報じた。これに対し、トランプ政権の関係者は事実無根だと反論した。

トランプ大統領は8日、内乱をどう定義するかとの質問に「現場で何が起きているかを実際に見ればいい。昨夜のLAでは非常に注意深く監視していた。そこでは大規模な暴力が発生していた」と述べた。内乱法を発動せずに軍を派遣する意向があるかとの質問には、「我々はあらゆる場所に部隊を配置する。我が国でこのようなことが起こるのを許すつもりはない」と答えた。

トランプ大統領はこの日、ソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「暴力的で反乱を起こす集団が、我々の(不法移民)強制送還作戦を妨害しようと、連邦職員に押し寄せ攻撃している」と主張した。さらに国土安全保障省、国防省、司法省の長官に対し、「LAを移民の侵入から解放し、移民による抗議デモを終結させるために必要なあらゆる措置を講じよ」と指示し、「秩序は回復され、不法移民は強制送還され、LAは自由を取り戻す」と述べた。

現在、LAの中心部では6日から米移民税関捜査局(ICE)による不法移民の逮捕作戦が開始され、これに反発する抗議デモが続いている。ICEは7日、LA南部パラマウントでも不法移民の逮捕に乗り出し、現地警察は催涙ガス弾や閃光弾などを使用して抗議者と対峙した。米国土安全保障省は声明を発表し、6日には約800人の抗議者がLAの連邦機関に侵入し、ICE職員を攻撃したと主張した。

川田翔平
CP-2023-0328@fastviewkorea.com

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