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2025年06月10日火曜日
ホームニュース「平和的デモ」なのになぜ軍隊?トランプ大統領LA州兵300人投入の裏にマスク決別とコア支持層つなぎ止めの政治的思惑

「平和的デモ」なのになぜ軍隊?トランプ大統領LA州兵300人投入の裏にマスク決別とコア支持層つなぎ止めの政治的思惑

引用:Depositphotos

米ロサンゼルス(LA)周辺で不法滞在者の取り締まりや追放に反発する抗議デモが続く中、ドナルド・トランプ米大統領は大規模な抗議を鎮圧するためカリフォルニア州兵を投入した。トランプ大統領の軍動員には複合的な政治的思惑があるとの見方が出ている。

8日(現地時間)、AP通信とCNNなどによると、当局はこの日の午前、LAの主要地域3か所に州兵300人を配置し、活動を開始したという。

しかし、現地では軍を動員するほど抗議が激しかったり治安が悪化していたりしたわけではないとの指摘がある。ロサンゼルス市警察(LAPD)は抗議が概ね平和的だったと述べている。地域当局も抗議の激化に対処する能力は十分あったと説明している。

米大統領が州知事の要請なしに州兵を動員したのは、1965年に公民権運動の参加者を保護するための措置以来、約60年ぶりのことだ。今回の決定は実質的な理由が不明確で極めて異例であることから、政治的な思惑があるとの指摘が相次いでいる。まず、政治的同志だったテスラのイーロン・マスクCEOとの決別、過激で論争を呼ぶ政策による支持層離れを食い止めようとする姿勢の強化が挙げられる。

トランプ大統領は大統領選候補時代、左派勢力の街頭抗議を容認せず、大統領権限を最大限に活用して対応すると明言していた。また、昨年10月のフォックス・ニュースとのインタビューで「我々には二つの敵がいる」とし、「内なる敵は中国やロシアのような国よりも危険だ」と述べていた。

BBCは今回の措置について、トランプ政権の核心支持層が歓迎し、無党派層は公共の安全への懸念から動揺する可能性があると分析した。一方、ガーディアンは極右メディアを利用して注目をそらすのが得意なトランプ大統領が、憎悪、怒り、恐怖を煽る「内なる敵」を見つけたと指摘した。

民主党のクリス・マーフィー上院議員(コネチカット州)はSNSのX(旧Twitter)を通じて「トランプが癒やしや平和維持を望んでいないことを忘れてはならない」とし、「彼は状況を悪化させ、分断を煽ろうとしている」と述べた。

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