
10日(現地時間)、米国のドナルド・トランプ米大統領は、政府の不法移民取り締まりに反対するデモが行われているロサンゼルス(LA)で、危険が除去されるまで州兵が駐留すると述べた。
トランプ大統領はこの日、ホワイトハウスの執務室で記者団と会見し、現地に派遣された州兵の駐留期間について「危険がなくなるまで」と答えた。7日に動員された2,000人の州兵に加え、9日に決定された2,000人の州兵と700人の海兵隊の追加派遣を含めると、LAのデモに投入される兵力は4,700人規模となる。
トランプ大統領は、軍が警察など現地の治安部隊を支援する間接的な関与を超えて、デモ参加者を直接鎮圧できるようにするために「内乱法(Insurrection Act)」を発動するかとの質問に、「反乱行為があれば、確実に発動する」とし、「状況を見守る」と答えた。
19世紀末に制定された「民警団法(Posse Comitatus Act)」によれば、米国内で軍が市民に対してデモ鎮圧などの警察業務を行うことは禁止されているが、内乱法を発動した場合は可能となる。ただし、国内のデモに対して内乱法を発動することは極めて限定的にしか認められないという法解釈が優勢だ。
トランプ大統領はまた、LAのデモ参加者が金銭を受け取ってデモに参加しているとの主張を展開した。さらに、2028年の夏季オリンピックがLAで開催されることから、LAのイメージ悪化を懸念すると述べた。
こうした中、トランプ大統領は自身の誕生日でもある14日にワシントンD.C.で行われる米陸軍創設250周年を記念する大規模な軍事パレードにおいて、デモ参加者がいれば「厳重な武力(heavy force)」に直面することになると警告し、強硬な鎮圧姿勢を示した。
一方、米国防総省の会計監査官を務めるブリン・マクドネル氏はこの日、下院歳出委員会の国防小委員会の公聴会で、LAに海兵隊と州兵を派遣するのに1億3,400万ドル(約194億3,608万円)の費用がかかるとの試算を明らかにした。