
ロシアとウクライナは10日(現地時間)、2日連続で戦争捕虜の交換を実施した。その最中、ロシアはウクライナに対し大規模な攻撃を行った。
ロシア国防省は同日、声明で「2日にイスタンブールで締結されたロシアとウクライナの合意に基づき、ロシア軍の第2陣が帰還した」と発表した。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領もSNSで「ロシアに拘束されていた我々の負傷兵と重傷兵が帰還した」と述べた。
ロシアとウクライナは2日、イスタンブールでの交渉で負傷者、重傷者、25歳未満の捕虜をそれぞれ1,000人以上交換することで合意した。両国は戦死者の遺体送還を巡って争い、合意の履行が無期限に遅れる可能性があるとの懸念も出ていたが、前日に捕虜交換を開始した。
両国は交換された捕虜の数を公表していない。ロシア国防省は両国が互いに同規模の捕虜を送還したと説明した。また、解放されたロシア兵は現在ベラルーシで必要な心理・医療支援を受けており、その後ロシアに移送され治療とリハビリを受けると付け加えた。
ゼレンスキー大統領は「交換は継続される」とし、「捕虜となった全ての人々を取り戻すために全力を尽くしている」と述べた。

ロシアは捕虜交換中もウクライナへの大規模攻撃を続けた。ウクライナメディア「キーウ・インディペンデント」によると、首都キーウとオデーサは同日未明、弾道ミサイルと自爆型無人機(ドローン)を含む新たな大規模なロシアの攻撃を受けたという。
ゼレンスキー大統領はX(旧Twitter)で、「ロシアは再び北朝鮮の弾道ミサイルを使用した」と明らかにした。さらに「ロシアのドローン技術が北朝鮮に拡散した証拠も追跡している」と付け加えた。
ロシアは夜間、ウクライナに対して315機のシャヘド型ドローンとダミー兵器のデコイを発射した。空軍の報告によると、主にキーウを標的とした北朝鮮製の弾道ミサイル「KN-23」2発と巡航ミサイル「イスカンデルK」5発が発射されたという。
ウクライナの空軍は7発のミサイルと213機の攻撃ドローンを全て撃墜したと発表した。声明では、64機のドローンがレーダーから消失したか、電子戦システムにより無力化されたと説明した。
ウクライナ当局はキーウで女性1人が死亡し、4人が負傷したと報告した。南部の都市オデーサでは攻撃により男性2人が死亡し、少なくとも8人の民間人が負傷した。ゼレンスキー大統領は今回の攻撃が戦争開始以来、キーウに対する最大規模の攻撃の一つだったと述べた。