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2025年06月13日金曜日
ホームニューストランプ関税で金価格急騰、JPモルガンとモルガン・スタンレーが「裁定取引」で725億円の荒稼ぎ

トランプ関税で金価格急騰、JPモルガンとモルガン・スタンレーが「裁定取引」で725億円の荒稼ぎ

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません

金に関税が課される可能性への懸念から、米国内の金価格が急騰し、JPモルガンやモルガン・スタンレーなど大手金融機関が裁定取引を活用して巨額の利益を上げたことが明らかになった。

ブルームバーグは、市場調査会社クリシル・コアリション・グリニッジのデータを引用し、今年第1四半期に12社の金融機関が金取引で5億ドル(約725億9,763万円)の収益を計上したと報じた。これは四半期ベースで5年ぶりの最高額であり、過去10年間で2番目に大きな金額だ。

金取引による収益は、ドナルド・トランプ米大統領の関税政策が米国内の金価格を押し上げたことで発生した。米国内の金価格が英国やスイス、香港など他の主要金市場より高くなり、金市場の参加者は海外で金を購入し米国に持ち込むだけで高い利ざやを得られる状況が生まれた。

大手投資銀行モルガン・スタンレーは、この機会を最も積極的に活用した金融機関だった。同社は第1四半期に自社の金先物取引のポジションを清算するため、67メトリック・トン(mt)の金を米国に持ち込んだ。これは現在の市場価格で約70億ドル(約1兆165億円)相当だ。

貴金属の取引市場で支配的な地位を持つ米国最大の銀行JPモルガンも、2月の先物契約を清算するため40億ドル(約5,808億8,235万円)相当の金を実物で引き渡した。このような裁定取引は、昨年4月に金がトランプ大統領の相互関税の対象から除外されたことで終息した。

同様の裁定取引で大きな利益を得る機会は2020年にもあった。当時、新型コロナウイルスのパンデミックにより商業航空機の運航がほぼ停止し、どのルートであれ金を米国に持ち込むだけで利益が得られる状況だった。JPモルガンの金取引部門は、この時10億ドル(約1,452億2,567万円)という記録的な利益を上げた。

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