暗号資産リップル(XRP)の上昇局面で最大の利益を上げた投資家たちが、1日あたり6,850万ドル(約100億8,426万円)分の仮想通貨を売却していることが明らかになった。オンチェーンデータと技術指標は、このような売却圧力が続けば、XRPの価格が再び急落する可能性があると警告している。

仮想資産データ分析企業グラスノードによると、昨年11月のラリー以前に0.50ドル(約74円)以下でXRPを購入した投資家は、現在300%以上の含み益を実現しており、最近1週間では1日平均6,880万ドル(約101億3,113万円)もの売却益を確保しているという。今回の上昇局面で最も多くの利益を得たこの層が、大量の利益確定売りを主導し、市場は現在「分配フェーズ」に突入していると分析されている。
特に注目されているのは、この動きが2017年の急騰・急落局面と酷似している点だ。XRPは当時0.005ドル(約0.7円)から2.50ドル(約368円)以上へと暴騰した後、大量の売却により価格が90%近くも下落した。現在の売却圧力も、当時と似た流れをたどっており、同様の急落リスクが意識されている。
市場構造の変化も懸念材料となっている。実現時価総額の70%以上が2024年末以降に形成されたとされており、多くの買いポジションが高値圏に集中していることがわかる。新規保有者の割合が高まる中で価格が調整に入れば、損失を避けようとする売りが加速する恐れがある。
また、XRPの支出出力の利益率(SOPR)も弱含みを示している。特に3〜6カ月間保有している投資家のSOPRは4月以降一貫して低下しており、平均購入価格が2.28ドル(約336円)であるのに対し、現在の価格は2.04ドル(約300円)まで下落している。すでに本格的な含み損状態に入ったことで、さらなる売り圧力がかかる可能性が高い。
さらに、6〜12カ月の保有者も平均購入価格が1.35ドル(約199円)とされ、XRPが1.50〜1.60ドル(約221~236円)台まで下落した場合、含み損に転落する投資家が増加する恐れがある。この価格帯は、テクニカル的にも下降三角形パターンの下限と重なっており、チャート分析の面からも追加下落が懸念されている。
ただし、50週移動平均線での強い反発が確認されれば、下落シナリオが否定され、XRPが再び3ドル(約442円)を目指す可能性も残されている。それでも現時点で観測されているオンチェーンデータと売却動向は、依然として下方リスクの方が高いと判断されている。