パイネットワークが発行する暗号資産パイコイン(PI)の価格が再び0.50ドル(約73円)の崩壊危機に直面している。

ここ数日の下落は単なる調整を超え、構造的な不安材料として捉えられている。価格下落の主な要因は、内部資金の移動、取引所への急激な流入、技術指標の悪化だ。
まず、パイコアチームの保有分移動が投資家心理を大きく動揺させている。
22日、ブロックチェーンデータプラットフォーム「パイスキャン(PiScan)」によると、直近24時間でパイ財団が保有するウォレット2から788万超のパイコインが外部へ流出したという。さらに、4年前にパイ財団のウォレット4から配分を受けた大口ウォレット3つが、最近、合計450万のパイコインを外部へ移転した事実も判明した。売却目的は明確ではないが、この大規模な資金移動は市場の供給量を急増させ、価格下落圧力を強めている。また、内部関係者が長期保有ではなく資金化に動いたとの見方は、コミュニティ内の信頼を大きく損なう可能性がある。
第二の要因は、取引所へのパイコイン流入の急増だ。
大手中央集権型取引所のOKXには1日で300万超のパイコインが入金されたほか、Bitgetにも100万以上が流入した。MEXCやGate.io、Pionexといった他の主要取引所でも同様の傾向が見られた。1日でこれら5つの取引所だけで計491万のパイコインが入金された計算だ。一般的に、コインが個人ウォレットから取引所に移動するのは売却準備と解釈され、市場では大規模な売り圧力につながる可能性がある。この流入は短期的に流動性を高めるが、実際に売りに転じれば価格崩壊を招く恐れがある。
最後に、テクニカル指標も下落を裏付けている。
22日午後3時(日本時間)時点でパイコインの価格は0.5092ドル(約75円)を記録した。これは支持線価格で、今年4月と今月中旬に形成された0.40ドル(約59円)台の安値を再度試す可能性が高い。
日足チャートでは、MACDが上昇転換に失敗しており、弱気トレンドが続いている。RSIは31レベルまで下落し、過売り圏に近づいている。これは市場で強い売り圧力が続いていることを示唆している。
専門家によると、パイコインの反発モメンタムが欠如する中、内部資金移動と技術的な弱さが相まって下落圧力が強まっている。0.50ドルの水準が割れれば、更なる下落は避けられず、コミュニティの信頼回復に向けたコアチームの迅速な対応が求められていると説明している。