
米国のドナルド・トランプ大統領とそれぞれ貿易戦争、ウクライナ戦争で対立する中国とロシアが、米国のイラン爆撃を強く非難した。かつて第三世界の「盟主」を自任していたインドは、即時の緊張緩和を求めた。
米CNNによると、中国の傅聡国連大使は22日(現地時間)、ニューヨークで開かれた国連安全保障理事会の緊急会合で、前日の米国によるイラン核施設爆撃を非難したという。傅大使は「米国は国際法だけでなく、イランの主権、安全、領土保全を定めた国連憲章に違反し、中東の緊張を悪化させ、国際的な核不拡散体制に大きな打撃を与えている」と主張した。
これに関連し、中国外交部は22日、ホームページ上の声明で「米国がイランを空爆し、国際原子力機関(IAEA)の監視・管理下にある核施設を攻撃したことを強く非難する」と表明した。さらに「米国の行動は国連憲章の趣旨・原則および国際法を重大に違反し、中東の緊張を高めるものだ」と批判した。
中国国営メディア環球時報も23日の報道で「米国の今回の行動は、イランとイスラエル間の衝突をさらに制御不能な状況に追い込むものだ」と非難した。環球時報は、イラン議会が22日に米国への報復としてホルムズ海峡の封鎖を決議したことを指摘し、海峡が「戦争で封鎖されれば、国際原油価格は必ず大きく変動し、世界の海上安全と経済の安定に深刻な脅威となる」と警告した。
マルコ・ルビオ米国務長官は22日、フォックス・ニュースのインタビューで「北京の中国政府が彼ら(イラン)に連絡を取ってほしい。中国は石油調達でホルムズ海峡に大きく依存しているからだ」と述べた。ルビオ長官は海峡封鎖について「米経済より他国の経済をより大きく傷つけるだろう」と主張した。
ウクライナ侵攻でイランの武器、特に無人機(ドローン)を活用して成果を上げたロシアもイランを擁護した。ロシアのワシーリー・ネベンジャ国連大使は22日の安保理会合で、米国がイランの安全な核施設を理由なく攻撃したと主張した。ネベンジャ大使は米国が「世界の核不拡散秩序に対する重大な攻撃」で「パンドラの箱を開けた」と強調した。同時に現在の状況を2003年のイラク戦争に例え、「米国は軍事的侵略に対する『捏造された正当化』を繰り返している。今日の状況も本質的に変わらない」と述べた。
ロシアはこの日、中国、パキスタンとともに「無条件の即時停戦」とイラン核プログラムに関する外交・政治的な会談の再開を求める安保理決議案の草案を提出した。また、イランのアッバース・アラーグチー外相は23日にロシアを訪問し、米国の空爆への対応を協議する予定だ。
先月パキスタンと武力衝突を起こしたインドも今回の事態に敏感に反応した。22日、インドの外務省は、イランのマスウード・ペゼシュキヤーン大統領がインドのナレンドラ・モディ首相に電話し、イスラエルとの紛争状況を説明したと発表した。モディ首相はソーシャルメディアX(旧Twitter)に投稿し、通話の事実を明かした上で、「現在の状況について詳細に議論し、イラン国内の情勢悪化に深い懸念を表明した」と述べた。インド外務省はモディ首相が通話で即時の緊張緩和と外交的解決を強調したと説明した。

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