
イランがイスラエルとの停戦後、本格的な国内粛清作業に着手した。
25日(現地時間)、CNNとイラン国営系のファルス通信などによると、イラン当局は12日間の交戦期間中にイスラエルの傭兵に活動したとして700人以上を逮捕したという。一般市民からの通報や情報作戦を通じて、これらの人々のスパイ活動や工作行為が特定されたという。逮捕者の中には、イスラエルを支持する記事などを共有した者も含まれていた。
イラン当局は紛争期間中、国内でイスラエルの秘密工作員を摘発し処刑した。また、メディアや個人のSNSを監視するため、検察庁内に新たなチームを設置した。AFP通信は同日、イランで男性3人がイスラエルのためのスパイ行為を行った容疑で処刑されたと報じた。暗殺に必要な機器をイラン国内に持ち込もうとした疑いだという。
これに先立つ22~23日にも、イランではモサド工作員の容疑者に対して連日処刑が執行された。ワシントン・ポスト(WP)によると、16日以降の累積処刑件数は6件に上る。WPは、停戦成立後、イラン内の活動家らの間で、さらに多くの人々が処刑の対象となる可能性があるとの懸念が高まっていると伝えた。
タイムズ・オブ・イスラエル(TOI)は、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」をはじめとする人権団体の情報を引用し、イランが世界で中国に次いで処刑件数の多い国であると報じた。
英シンクタンク「チャタムハウス(王立国際問題研究所)」で中東・北アフリカプログラムのディレクターを務めるサナム・ヴァキル氏は「イラン政権は明らかに国内の侵入者を見つけ出し、粛清するだろう」とし、「弾圧が強まるリスクがある」と指摘した。
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