米半導体大手エヌビディアは25日(現地時間)、人工知能(AI)市場への期待を背景に株価が急騰し、終値ベースで過去最高値を更新した。時価総額で再び首位に立ち、世界で最も価値のある企業の一つとしての地位を確固たるものにした。

この日、ニューヨーク株式市場でエヌビディア株は前日比4.33%上昇し、154.31ドル(約2万2,339円)で取引を終えた。これは1月6日に記録した従来の最高終値149.43ドル(約2万1,632円)を上回るものだ。
4月の安値から株価は63%急騰し、時価総額はこの間に1兆4,000億ドル(約202兆6,803億円)以上増加した。今年の株価上昇率は11%を超え、2024年には170%、2023年には240%を超える急騰を記録している。
これによりエヌビディアの時価総額は3兆7,630億ドル(約544兆7,500億円)に達し、マイクロソフト(MS)を抜いて世界最大の時価総額を持つ企業の座に返り咲いた。アップルは約3兆ドル(約434兆2,944億円)で3位となった。
エヌビディアは大規模言語モデル(LLM)の開発とAI演算に不可欠なグラフィックス処理装置(GPU)市場で圧倒的なシェアを誇る。最近の米政府による対中輸出規制強化で中国向け売上が急減したにもかかわらず、投資家はエヌビディアの技術力と成長可能性に依然として高い信頼を寄せている。
マイクロソフト(MS)、メタ・プラットフォームズ、アルファベット(グーグル親会社)、アマゾンなど主要顧客もAI関連投資を引き続き拡大している。これら4社はエヌビディアの総売上高の40%以上を占める。
エヌビディアは好調を維持しているが、米トランプ政権が4月、同社が既存の規制を回避するために開発したAI半導体「H20」にも追加の輸出禁止措置を講じたため、足かせとなっている。これによりエヌビディアは今後80億ドル(約1兆1,582億円)規模の売上損失と45億ドル(約6,515億868万円)相当の在庫処分を強いられると明らかにした。米政府はさらにAI半導体に対する輸出規制の追加拡大を検討中とされる。
それでもエヌビディアの業績は引き続き右肩上がりだ。同社は5月の決算発表で、前年同期比69%の増収を報告した。特にデータセンター部門の売上が73%急増し、全体の業績を牽引した。市場調査会社「LSEG」によると、エヌビディアの今年の年間売上高は前年比53%増の2,000億ドル(約28兆9,559億円)に達すると予測されている。
ウォール街ではエヌビディア株に対し依然として楽観的な見方が優勢だ。ブルームバーグの集計によると、アナリストの約90%が買い推奨を出しており、現在の株価は平均目標株価を13%下回る水準にあるという。現在の業績に対する株価収益率(PER)も過去平均を下回る。今後12か月の予想利益に基づくPERは約31倍で、10年平均を下回り、ナスダック100指数の平均(27倍)とも大差ない。
オールスプリング・グローバル・インベストメントの共同ポートフォリオマネージャー、マイケル・スミス氏は「AI技術競争は2025年、あるいは2026年まで続くだろう」とし、「エヌビディアの成長は再び勢いを増し、市場支配力も強化された」と評価した。
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOもこの日の株主総会で「AI需要は依然として強く、コンピューティング産業はAIインフラの大転換の初期段階にある」と述べた。
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