
ドナルド・トランプ米大統領の関税政策により、国内企業の7割以上が価格引き上げ圧力に直面していることが明らかになった。
29日付の日本経済新聞(日経)による「社長100人アンケート」の結果、「製品やサービスの価格を引き上げた、または引き上げを計画・検討中」と回答した企業が4割近くに達した。トランプ政権の関税政策を踏まえた価格引き上げの有無について、「年内に引き上げる予定」が14.4%、「引き上げを検討中」が13.6%、「すでに引き上げた」が7.6%だった。
これに「今後引き上げが必要になる可能性がある」との39%を加えると、7割超の企業の製品・サービスがトランプ発の関税の影響を受けているとみられる。関税回避のためグローバルサプライチェーンの再編を迫られれば、企業は多大なコスト負担を強いられることになる。
米国工場の稼働率を上げ、他地域の工場の稼働率を下げる対応をとれば、生産性低下を招く恐れもある。そのため、コスト転嫁のための価格引き上げは米国市場にとどまらず、国内にも波及する可能性があると日経は指摘している。
第2次トランプ政権発足から4か月時点での企業経営への影響について、「マイナス」または「ややマイナス」との回答が68.9%に達し、就任直前(2024年12月)の38.9%から大幅に増加した。「プラス」との回答は皆無だった。対米新規投資を含む投資拡大を予定する企業は32.2%で、前回調査(2025年3月41.4%)から減少した。トランプ政権への懸念(複数回答)は「政策の不確実性」が70.6%で最多となり、次いで「輸入品への課税強化」(59.4%)、「地政学的リスクの高まり」(37.8%)の順だった。
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