中国が今年に入り数千人規模の北朝鮮労働者を新たに受け入れていると27日付の読売新聞が報じた。
北朝鮮と中国の関係筋によると、3月までに約3,000人が吉林省琿春に入国し、先月には約500人が遼寧省丹東市に到着した。労働者の大半は若い女性で現地の縫製工場や水産加工工場に送り込まれた。
同紙は「北朝鮮労働者の受け入れは国連安全保障理事会決議で禁止されており、制裁違反に当たる」とし、「習近平政権は安価な労働力を確保しつつ、北朝鮮との関係修復を図っている可能性がある」と指摘した。また、中国東北部だけでなく他の地域でも北朝鮮労働者受け入れに向けた協議が進んでいるという。
情報筋は「中国の地方政府が独断で北朝鮮労働者を受け入れることなどあり得ない」と述べた。
国連安全保障理事会は北朝鮮の外貨獲得を阻止するため、対北制裁決議で加盟国に北朝鮮労働者への雇用許可発給を禁じ、既存労働者の送還を求めている。
中国当局は新型コロナウイルスによる国境封鎖解除後、北朝鮮側に労働者派遣を繰り返し要請したとされる。
同紙は、中国側のこうした姿勢が、北中国交樹立75周年だった昨年に大規模な記念行事が開催されなかったことなど、両国関係に異変をもたらした一因となったとの見方もあると伝えた。
注目の記事