暗号資産市場で再び注目を集めているのは、リップル(XRP)の異例の高騰だ。年初来で実に450%もの価格上昇を記録し、同じく主要通貨であるイーサリアム(ETH)とは対照的な動きを見せている。

仮想通貨アナリストのジャングル・インク氏によれば、XRPはドナルド・トランプ米大統領の再選が現実味を帯びる中、急騰して一時は3.29ドル(約477円)に到達。足元では2.22ドル(約322円)まで調整されたものの、依然として大きな上昇幅を維持している。
一方、イーサリアムは昨年12月に4,000ドル(約58万141円)を超えていたが、現在は2,500ドル(約36万2,588円)台にとどまり、年初から約15%の下落となった。アナリストらはこの差の背景として、XRPはSEC(米証券取引委員会)との法的対立が収束に向かい、法的地位が明確になったこと、対してイーサリアムはネットワークのスケーラビリティ課題や競合通貨ソラナ(SOL)の台頭といった複合的要因で制約を受けていると見ている。
また、XRPは大口機関投資家の関心も集めており、ユーティリティや価格のモメンタムで優位性を示しているという。一方で、イーサリアムも依然として強固な開発者ネットワークを持ち、ETFによる資金流入や技術革新などを通じて中長期的な回復が見込まれている。
市場ではXRPの急騰が一時的な現象か、それとも本格的な転換点となるかについて意見が分かれている。ただし、リップル社とSECの訴訟が完全に決着すれば、XRPがイーサリアムの市場シェアを脅かす可能性は十分にあるとの見方もある。
コインゲイプなどによると、両通貨ともに強い支持基盤と実需を背景に持つことから、次の市場サイクルでは再び立場が入れ替わる可能性もある。現時点ではXRPがやや優勢だが、情勢は依然として流動的だ。
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