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「男子が女子より寿命が短い理由」Y染色体が加齢で消失、心筋梗塞リスク2倍以上で寿命を削る新証拠

望月博樹 アクセス  

スウェーデン・ウプサラ大学研究チームの調査結果

Y染色体消失の男性、血管狭窄率75%…女性の2倍に

引用:SCIENCE SOURCE
引用:SCIENCE SOURCE

男性は年齢とともにY性染色体の一部が消失し、この変化が心血管疾患リスクを高める可能性があることが明らかになった。加齢に伴う性染色体の減少は男性の特徴を弱めるだけでなく、病気のリスクも上げることが示された。

スウェーデンに位置するウプサラ大学免疫・遺伝学科のラース・フォスベリ(Lars Forsberg)教授の研究チームは、「免疫細胞からY染色体が消失すると、血管が狭窄する動脈硬化がより頻繁に発生することを確認した」と13日に発表した。

動脈硬化は血管壁にコレステロールが蓄積し血管が狭くなる疾患で、心臓病の主な要因とされる。今回の研究結果は医学論文のプレプリントサイト「メドアーカイブ(medRxiv)」に掲載された。

人の性別は性染色体によって決定される。女性はX染色体を2本、男性はXとY染色体をそれぞれ1本ずつ持つ。Y染色体は男性の性別を決定し、精子形成など生殖機能を担う。

フォスベリ教授の研究チームは50~64歳の男女3万150人を対象に血管の状態を画像で確認した。このうち約1万2,400人の男性はY染色体の消失程度に応じて3グループに分類され、各グループの血管狭窄率を女性参加者とも比較した。

その結果、Y染色体の消失が最も多い男性グループでは75%に血管狭窄が見られた。一方、消失が10%以下のグループでは約60%に血管狭窄が見られ、消失がないグループでは55%だった。女性の血管狭窄率は30%だった。

男性のY染色体消失は主に白血球などの免疫細胞で観察される。白血球を産生する幹細胞が急速に分裂する過程で一部のY染色体が消失し、加齢とともにこうした細胞が体内に蓄積されるためだ。70歳の男性の約40%でこの現象が観察される。

この問題は2014年にフォスベリ教授のチームが発表して以来、注目を集めてきた。当時の研究では、高齢男性の血液でY染色体の消失が多いほど、平均5年6か月早く死亡することが確認された。

その後、アメリカ・バージニア大学のケネス・ウォルシュ(Kenneth Walsh)教授がY染色体の消失と心臓疾患の関連性を解明した。ウォルシュ教授は「Y染色体の消失によって多くの男性が命を落としている」とし、「男性の平均寿命が女性より6年短い理由の大きな要因は性染色体の不安定性にある」と述べた。

今回の研究結果は、ドイツ・フランクフルトに位置するゲーテ大学のティモテウス・シュペア(Thimoteus Speer)教授の研究とも一致する。シュペア教授チームは心血管疾患が疑われ血管造影を受けた男性を10年間追跡調査した結果、白血球の17%以上でY染色体が消失すると、心筋梗塞で死亡するリスクが他の男性より2倍以上高いことを確認した。

シュペア教授は「動脈硬化が最終的に心筋梗塞につながる点で、フォスベリ教授の研究と一貫した結果だ」とし、「作用メカニズムをより深く理解できれば、Y染色体消失の有無を確認する血液検査を通じて、特定の治療からより大きな恩恵を受ける患者を選別できるだろう」と展望を示した。

ただし、ウォルシュ教授は「両研究ともY染色体の消失が直接的な原因だと断定はできない」と指摘した。さらなる研究が必要だという意味だ。フォスベリ教授も「Y染色体の消失が血管狭窄の性差を全て説明できるわけではなく、他の要因も存在する」と述べた。

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