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2025年07月08日火曜日
ホームニュース「我々の街を返せ!」米国人ノマド流入で“家賃急騰”…怒れる住民が暴徒化したメキシコシティの現実

「我々の街を返せ!」米国人ノマド流入で“家賃急騰”…怒れる住民が暴徒化したメキシコシティの現実

引用:ニューシス
引用:ニューシス

米国人デジタルノマドや観光客の大量流入により、メキシコシティの家賃が急騰している。その影響で地元住民の生活が脅かされ、一部はついに怒りを爆発させた。

5日(現地時間)、『AP通信』によると、前日4日、メキシコシティの人気エリアであるコンデサ地区とローマ地区で、ジェントリフィケーション(高級化)と過剰観光に抗議する大規模デモが行われた。集まった数百人の住民たちは「我々の街を返せ」と声を上げたが、途中から一部が過激化し、暴徒化。覆面姿の若者らが店のガラスを破壊し、高級ブティックを襲撃する事態へと発展した。

彼らは外国人観光客に向かって「メキシコから出て行け」と怒号を浴びせ、割れたガラスにはその言葉が書き殴られた。また「グリンゴ(米国人)、我々の家を奪うな」と記されたプラカードも掲げられ、観光抑制と住宅保護に関する厳格な立法を求める声が上がった。

デモ隊の一部はその後、在メキシコ米国大使館前まで行進し、抗議活動を続行。地下鉄駅構内でもスローガンを叫び続け、市中心部は警察車両のサイレンが鳴り響いた。大使館周辺には緊急で警察部隊が配備された。

この抗議行動の背景には、ここ数年で急増した外国人居住者、特に米国人への反発感情がある。2020年のコロナ禍以降、米国のロックダウンを避けてメキシコに移住した「デジタルノマド」が、比較的物価の安いメキシコシティを「理想の拠点」として選び、人気エリアに集中。これにより家賃は現地住民の手の届かない水準にまで跳ね上がった。

現地の大学生で19歳のミシェル・カストロさんは、「私は市内の労働者階級エリアの出身。昔からのアパートが次々と観光客向けに変わっていくのを見てきた」と語る。彼女は「多くの人がこの状況を外国人嫌悪(ゼノフォビア)と非難するけれど、そうじゃない。あまりにも多くの外国人が集中して、エアビーアンドビーのせいで家賃が高騰している。もう普通の人たちは生活できない」と訴えた。

AP通信は今回のメキシコシティの事例が、バルセロナ、マドリード、パリ、ローマなど欧州の主要観光都市で起きているオーバーツーリズム(観光過多)に対する抗議デモの動きと重なっていると指摘している。

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