
ドローンと地上ロボットだけで敵兵を降伏させるという、未来の戦争を思わせる出来事がウクライナで現実となった。9日(現地時間)、現地メディア『キーウ・インディペンデント』などは、ウクライナ軍が人間の兵士を使わずに、ロシア軍の兵士10人以上の投降を誘導し、捕虜としたと報じた。
作戦が行われたのは激戦地のハルキウ地域で、第3突撃旅団がドローンと地上ロボットのみを使い、ロシア側の陣地を奇襲した。旅団がテレグラムで公開した映像には、地上ロボットが敵陣に突入し爆発する様子や、その様子を空中からドローンが鮮明に捉える映像が収められている。その後、命をとりとめたロシア兵たちは両手を上げて降伏の意思を示し、前線から外へと誘導されウクライナ軍の捕虜となった。

第3突撃旅団は「FPV(一人称視点)ドローンと自爆型地上ロボットを用いた。歩兵の損害はゼロで、作戦の効率性は100%だった」と強調した。現地メディアは、この映像が無人プラットフォームによる攻撃としては「現代戦における初の成功例」として注目しており、ロシア・ウクライナ戦争が、まるで未来の戦場を実証する実験場のような様相を呈していると評価している。
ウクライナ国防省は今年2月、銃火器を装備したUGV(無人地上車両)を含む「特別ロボット部隊」の創設を発表していた。ロシア側もすでに戦場でUGVを運用しており、昨年12月末には今回と類似した事例も確認されている。ウクライナ軍はその際、機関銃を搭載した複数のUGVと自爆型ドローンを動員し、ハルキウ州リプツィ村周辺のロシア軍に対して陸と空からの同時攻撃を仕掛けた。

このように、ウクライナが各種ドローンを積極的に戦場へ投入している背景には、兵力不足という現実がある。戦争の長期化で人員が枯渇しつつある中、ドローンの活用は予想を上回る効果を発揮し、前線戦力の補完として欠かせない存在になっている。
注目の記事