
今月、欧州と核協議を再開したイランは20日(現地時間)、ロシアと接触し核兵器問題を協議した。米国とイランの核協議再開の日程は未定のままだ。
AFP通信によると、ロシア大統領府(クレムリン)のドミトリー・ペスコフ報道官はこの日の記者会見で「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が本日、クレムリンでアリー・ラーリージャーニー氏と会談した」と明らかにした。ラーリージャーニー氏はイラン最高指導者ハーメネイー師の上級顧問として知られる。
ペスコフ報道官は「ラーリージャーニー氏はイラン指導部を代表し、中東地域の緊迫化とイラン核問題をめぐる状況について説明した」と述べた。プーチン大統領は会談で、イランに中東の安定化と核問題の政治的解決を促したという。ペスコフ報道官は、ロシア政府がこの会談で「地域情勢の安定化とイラン核問題の政治的解決を目指す従来の立場を再確認した」と強調した。
2015年、米露中英仏独の6か国とイランは、イラン核合意(包括的共同作業計画・JCPOA)を締結し、イランが核兵器開発を放棄すれば経済制裁を解除することで合意した。しかし、米国のドナルド・トランプ大統領は核合意がイランを十分に抑止できないとして2018年に離脱し、経済制裁を復活させた。
英仏独の欧州3か国(E3)は米国の離脱後も核合意の維持に努めたが、イランが米国に対抗して核兵器原料の生産を続けたため、イランとの軋轢が生じた。これを受け、17日にE3と欧州連合(EU)は、イランが今年夏までに核計画を凍結しなければ国連制裁を復活させると警告した。イラン外務省は20日、25日にトルコ・イスタンブールでE3と次官級核協議を行うと発表した。
トランプ大統領は今年4~5月に計5回、イランと単独で非核化協議を行ったが、成果は得られなかった。これを受け、米軍は先月、イスラエルを支援してイランの核施設を爆撃した。海外メディアは、トランプ政権が先月24日のイラン・イスラエル休戦直後からイランとの核協議再開を準備していると報じている。
ロシアは先月の米国によるイラン核施設攻撃の際、積極的な動きを見せなかった。米政治メディア「アクシオス」は12日、関係者の話として、プーチン大統領がイランにウラン濃縮の放棄を迫ったと報じた。ロシアはイランが当条件で非核化に同意すれば、原子力発電用の濃縮ウラン(3.67%)、研究用原子炉および核同位体生産用の濃縮ウラン(20%)を供給すると提案したが、拒否されたという。ロシア外務省は翌日、声明を発表し、アクシオスの主張を「政治的な誹謗中傷」と否定した。
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