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2025年07月23日水曜日
ホームニュース「トランプの関税は馬鹿げている!」米専門家が痛烈批判 同盟国の経済と信頼を損ね、軍事同盟を揺るがす“自滅型通商戦略”に警鐘

「トランプの関税は馬鹿げている!」米専門家が痛烈批判 同盟国の経済と信頼を損ね、軍事同盟を揺るがす“自滅型通商戦略”に警鐘

引用:ニューシス
引用:ニューシス

ドナルド・トランプ政権による「同盟国・敵国を問わない一律の関税政策」が、米国の安全保障と同盟関係を脅かしているとの指摘が、米国内の専門家から相次いでいる。

米ピーターソン国際経済研究所(PIIE)の上級研究員カレン・ヘンドリックス氏は21日、研究所の公式サイトに掲載した論文「米国同盟国への関税課税は国家安全保障を損なう」の中で、トランプ政権の通商戦略を厳しく批判した。

論文では、トランプ政権が関税を単なる貿易不均衡の是正手段にとどまらず、多目的な外交カードとして乱用しているとし、「同盟国と敵対国を区別しないアプローチは、米国と同盟国の双方の経済力を損ない、長年構築されてきた集団的軍事抑止の基盤を揺るがす」と警鐘を鳴らした。

これまで米国は60カ国以上と結ぶ同盟ネットワークによって軍事的優位性を保ち、防衛産業や地政学的影響力の拡大に成功してきたが、トランプ政権はその同盟国すらも通商上の敵とみなす姿勢を崩していない。

EU・NATO加盟国から日本、韓国、ブラジルに至るまで、米国のパートナー国が関税の標的となっている状況に対し、ヘンドリックス氏は「トランプ政権の戦略は、信頼関係を土台とする防衛政策の現実と乖離している」と批判。「真の同盟国は存在せず、いずれ衝突する潜在的な敵だけが存在するという世界観は、貿易や外交をゼロサムゲームとして捉え、国家は『相手より損をしない』ことに注目するようになる」と指摘した。

引用:ニューシス
引用:ニューシス

さらに、米国が同盟国の経済にダメージを与えつつ、防衛費の増額を要求するという矛盾した姿勢も非現実的だと強調。「予算制約や社会保障への国民の要求を考えれば、関税で負担を強いられながら防衛支出まで拡大しろというのは無理がある。『そんな同盟に加わる意味があるのか』という疑念が高まりかねない」と述べた。

また、FTA(自由貿易協定)締結国を含む貿易パートナーへの関税措置は、米国に対する信頼を失わせ、結果的に同盟内部の摩擦を招き、集団防衛能力の低下を招くと懸念。「中国のような潜在的な敵対勢力が、この分断を利用する危険性が高まる」との見解を示した。

一方、スコット・ベッセント米財務長官はこの日、『CNBC』のインタビューで「我々の優先事項は日本政府の内部事情ではない。米国民のために最良の取引を実現することだ」と述べ、外交リスクを意に介さない姿勢を見せた。

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