暗号資産(仮想通貨)リップル(XRP)が近頃の価格上昇を受け、流通中のほぼ全量にあたる99.6%が利益状態にあることが分かった。投資家の大多数が含み益を抱えており、売却よりも保有を選択している現状を示している。

ブロックチェーン分析プラットフォーム「グラスノード」が公開した最新のオンチェーンデータによると、ここ数週間でXRPの利益率が急激に上昇した。22日(日本時間)午前には一時3.64ドル(約531円)まで価格が上昇し、全暗号資産の中でも屈指の高い投資家収益率を記録した。
『ザ・ストリート』などによれば、投資家心理も高揚しており、利益状態にあるXRPの供給比率は過去18か月で最も高い水準に近づいているという。市場ではすでに「陶酔状態」に入っているとの見方もある。
こうした状況は個人投資家の買いだけでは説明がつかない。先物市場における未決済建玉(Open Interest)や24時間の取引量が急増しており、機関投資家や大口トレーダーの参入も活発化しているとみられる。現在の利益比率は、2018年にXRPが史上最高値となる3.84ドル(約561円)を記録した際と近い水準にある。
一方、ビットコイン(BTC)は11万7,000ドル(約1,708万円)を突破し、年初来でおよそ70%上昇しているものの、利益状態にある供給比率は約97%にとどまり、XRPには及ばない。これは、ビットコインが長期保有や段階的な価格推移を経て利益確定が分散される傾向にあるのに対し、XRPは短期間で急騰したことでほとんどの保有者が一気に利益状態へと突入したためと考えられる。
市場への影響も見逃せない。これほどまでに高い利益比率は、しばしばトレンド転換のサインとされる。強い上昇トレンドが続いているとはいえ、短期的には利益確定売りによる調整が入る可能性も否定できない。
それでも、先物市場での取引活発化と安定した出来高は、今後の価格上昇に向けたモメンタムが依然強いことを示している。特に、米国でのCLARITY法案のように規制環境が明確化されれば、XRPの上昇トレンドにさらなる追い風となる可能性もある。
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