米国株式市場では、エネルギーインフラ関連銘柄が力強い動きを見せている。企業の好調な業績に加え、政府によるAI政策の青写真が公開されたことが追い風となり、買いの圧力が高まっている。
23日(現地時間)の米国株式市場では、エネルギー機器メーカーのGEベルノバが14.58%急騰した。同日、小型モジュール原子炉(SMR)を開発するオクロ(9.21%)をはじめ、電力インフラ企業タロン・エナジー(8.18%)や原子炉開発会社ナノ・ニュークリア・エナジー(7.80%)なども大幅に上昇した。過去1か月間で、GEベルノバは25.84%、オクロは21.52%、タロ・ンエナジーは16.34%と急上昇しており、AIの進展に伴う電力需要の増加がこれら企業の業績改善を後押しすると見られている。
同日、GEベルノバは2023年第2四半期の1株当たり利益(EPS)が市場予想の1.50ドル(約221円)を上回る1.86ドル(約274円)を記録したと発表。また、同社は2023年のフリーキャッシュフロー(FCF)目標を従来の20億〜25億ドル(約2,945億6,966万円~3,682億1,208万円)から最大35億ドル(約5,152億6,852万円)に引き上げた。さらに、タロ・ンエナジーはデータセンター向けの電力需要に応えるため、大型発電所2カ所を35億ドルで買収すると発表した。
また、米国政府がAI政策の根幹となる「AIアクションプラン」を発表したことも、投資家の関心をさらに高める要因となった。この日、ドナルド・トランプ米大統領は「AIは米国が必ず勝たねばならない競争だ」と述べ、「我々はこの赤ん坊(AI)を育てるべきで、政治や無意味な規制で妨げることはあってはならない」と強調。トランプ大統領は同日、AIデータセンターの迅速な認可や米国AIモデルの輸出支援などを含む3件の行政命令に署名した。
今後の電気料金の上昇も関連企業にとっては追い風となる可能性がある。米最大の電力網運営会社PJMインターコネクションによれば、2026〜2027年の電力容量オークション結果で、1メガワット当たりの価格上限が329.17ドル(約4万8,452円)を記録。これは2025〜2026年の269.92ドル(約3万9,731円)と比べ、22%の急増となっている。電力生産会社やインフラ企業にとっては、販売単価の上昇を通じて収益改善につながるとの見通しが出ている。
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