
米国は6月、イスラエルとイランの間で12日間にわたって続いた軍事衝突において、自国が備蓄していた高高度防衛ミサイルシステム(THAAD)の約4分の1を使用し、消費量が生産速度を大きく上回るペースに達していたことが明らかになった。『CNN』が28日に報じた。
米軍は計7基のTHAADシステムを保有しており、そのうち2基が今回の戦闘で運用された。事情に詳しい関係者によれば、米軍はこの期間中に少なくとも100発、最大で150発の迎撃ミサイルを発射したとされる。
この結果、米国のミサイル防衛体制に想定外の脆弱性が浮き彫りとなった。とりわけ、イスラエル防衛への支持率が歴代最低レベルまで低下している中で、コストの高い兵器資産を一気に消耗したことに対する懸念が広がっている。
元国防当局者やミサイル専門家らは、これほど急速な在庫消費が、米国のグローバルな安全保障態勢や迅速な再補給能力に対して深刻な懸念を投げかけていると警鐘を鳴らす。
米国防総省の2026年度予算試算によると、昨年の新型THAADインターセプターの生産数はわずか11基にとどまり、今年度も12基の追加生産にとどまる見込みだという。
これに対して国防総省のキングスリー・ウィルソン報道官は、「米軍は現在、世界で最も強力な態勢を維持しており、地球上どこであっても任務を遂行するためのあらゆる準備が整っている」と述べた。別の国防総省関係者も「どのような脅威にも即応できる体制を常に維持している」とコメントしている。
注目の記事