
パレスチナ自治区ガザ地区で飢餓による死者が相次ぎ、国際社会からの批判が高まっている。こうした中、ドナルド・トランプ米大統領は食糧センター建設を表明し、事態解決への意欲を示した。
トランプ大統領は28日(現地時間)、スコットランド・ターンベリーの自身のゴルフ場でキア・スターマー英首相と会談し、「ガザ地区の人道的必要性に応える必要がある。食糧センターを設置し、適任者と協力して進める」と語った。
続けて「資金は我々が提供する。すでに数兆ドルを確保しており、そのごく一部を食糧支援に充てるつもりだ」と述べ、米国だけでなく英国や欧州連合(EU)も参加すると説明した。食糧センターは「誰もが歩いて入れる開かれた施設とし、境界線やフェンスなどは一切設けない」と付け加えた。
ガザ地区では餓死者が相次いでいるが、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は前日、飢餓は存在しないとの趣旨の発言を行い、批判を浴びている。トランプ大統領はこの見解に同意しない立場を示した。
トランプ大統領は同日、スターマー英首相との会談後、ネタニヤフ首相の発言に同意するかとの質問に対し、「テレビでは子供たちが深刻な飢餓に苦しんでいる様子が映っている。これは現実の飢餓であり、偽ることはできない。子供たちに食料を与える必要がある」と述べた。
また「イスラエルには大きな責任がある。ガザ住民が食料を確保できるよう、イスラエルの対応を求める」と付け加えた。
ガザ保健省によると、同日午前までに飢餓と栄養不足により死亡した人は147人に達し、そのうち88人が幼児だった。国際社会からは、イスラエルが国際支援の妨害を通じて、意図的にガザ住民を飢えさせているとの厳しい批判も上がっている。
イスラエルとハマスの停戦交渉は進展していない。仲介役のスティーブ・ウィトコフ中東担当特使は、ハマスが追加の囚人釈放などを要求したことを受け、24日に交渉を中断し、他の選択肢を探ると発表した。
トランプ大統領は同日、関連質問に対し「ネタニヤフと話をしており、さまざまな計画を立てている」と語った。
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