
米国と中国は29日(現地時間)、スウェーデン・ストックホルムで第3回貿易協議の2日目の会合を再開し、高関税率の相互適用をさらに3か月猶予する「関税休戦」を巡る協議を行った。
AP通信などの海外メディアによると、2日目の会合にも米国側からはスコット・ベッセント米財務長官と米通商代表部(USTR)のジェイミソン・グリア代表、中国側からは「経済の実力者」である何立峰国務院副総理らが出席した。
会談で、両国は関税引き下げの期限が来月の8月11日(米国時間)に迫っているため、これを延長するための議論に集中し、延長に原則的に合意する方向に近づいたと、海外メディアが会談関係者の話として伝えた。
加えて、米国側は会談前に予告した通り、関税猶予以外にも中国の過剰生産に関連する「ダンピング輸出」への懸念、中国製フェンタニル(合成麻薬)原料の対米密輸出規制の強化、米国のロシア制裁に関連してロシアと大規模な取引を行う国の対米輸出品に100%前後の二次関税を課す問題などを提起したとされる。
米国側はこの日、中国の外国企業および製品に対する不公正な慣行、中国政府の自国企業に対する巨額の補助金支援策なども改めるよう主張した。海外メディアは、このほかにも両国間の農産物輸入問題、中国系動画投稿アプリ「TikTok」の米事業売却などについても協議が行われたと伝えた。
中国側は関税休戦については原則的に同じ立場を示しながらも、関税以外の問題についてはほとんど受け入れる意思がないことを明らかにし、国際規範に基づく自由貿易と互恵主義の回復などを要求したとされる。また、米国が中国製フェンタニル原料の対米密輸出規制を要求して課した「フェンタニル関税」に関連して、米国が要求する基準値を明確にするよう求めたと海外メディアは付け加えた。
これに先立ち、中国外交部の郭嘉昆報道官は28日の定例記者会見で、第3回貿易会談に関連して「米国が両国首脳が電話会談で達した重要な合意を履行し、交渉を通じて平等、尊重、互恵の基礎の上で対話とコミュニケーションを通じて合意を促進し、米中関係の安定的で健全かつ持続可能な発展を推進することを望む」と述べた。また、スウェーデンで進行中の具体的な状況に注目する必要があるとし、経済・貿易問題に関する中国の立場は一貫していると強調した。
友好的な雰囲気の中で「関税休戦」の延長などの成果を上げれば、両者はトランプ政権2期目発足後初の米中首脳会談開催への足がかりを築けると見られる。
香港紙のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は26日、複数の匿名情報源を引用し、米国のドナルド・トランプ大統領が10月31日~11月1日に韓国で開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議に出席する前に中国を訪問するか、APEC首脳会議期間中に別途で中国の習近平国家主席と会談する可能性があると報じた。
今回の会談は、5月10~11日に開かれたスイス・ジュネーブ会談、6月9~10日に開かれた英国・ロンドン会談に続く、トランプ政権2期目発足後3回目の米中貿易協議である。
両国は第1回ジュネーブ協議を通じて90日間の関税戦争休戦を実現した。当時、互いに100%を超える関税(米国は中国に145%、中国は米国に125%)を課していたが、90日間それぞれ115%ずつ大幅に引き下げることで合意した。その後、第2回ロンドン協議では互いの貿易問題に関して大枠で合意することになり、両国はそれぞれ半導体などの技術(米国)とレアアース(中国)の輸出管理などで譲歩することにした。
注目の記事