
米国の経済指標が全体的に良好な結果を示す中、マイクロソフトとメタ・プラットフォームの決算発表を控えたニューヨーク株式市場は、再び史上最高値の更新を目指して上昇している。
東部時間午前10時20分時点で、S&P500種指数は前日比0.2%上昇、ナスダック総合指数は0.3%上昇している。ダウ工業株30種平均も同様に0.2%の上昇を見せた。
債券市場ではほとんどの利回りが上昇し、10年物米国債利回りは4ベーシスポイント(0.04%)上昇して4.36%となった。
為替市場では、ブルームバーグのドル現物指数が0.5%上昇し、2月以来で最長となる連続上昇を記録している。一方、円は対ドルで0.4%下落し、149.05円前後で推移している。
暗号資産では、ビットコインが0.1%上昇し、11万7,652.51ドル(約1,751万円)で取引されている。
また、インフレを調整した実質GDPは、前期の0.5%減少から一転し、年率で3%増加した。米国で生産された財やサービスの価値が大きく改善したことを示している。
プレミア・ミトン・インベスターズのニール・ビレル氏は、「米経済は予想通り第2四半期に回復基調を示した」と述べた。その上で、「インフレ率は依然として目標を上回っており、関税の引き上げも近づいているため、FRBが9月以前に利下げに踏み切る可能性は低い」と指摘した。
トレードステーションのデビッド・ラッセル氏も、「コアPCE(個人消費支出)が依然として高水準にあり、FRBはインフレ圧力に引き続き警戒を続けるだろう」との見方を示した。
こうした中、トランプ大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、「GDPの数字は予想をはるかに上回る良い結果だった」と称賛し、FRBに対して再び利下げを促した。
市場の注目は、取引終了後に予定されているマイクロソフトとメタ・プラットフォームの決算発表に集まっている。特に、AI分野での投資額がどの程度かに関心が高まっている。
SWBCのクリス・ブリガティ氏は、「今年、市場を牽引する主力銘柄のPER(株価収益率)は歴史的な高水準にある」と述べ、「本格的な上昇相場に入る前に、秋頃に一時的な調整局面を迎える可能性がある」と分析している。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのマーク・ハフェル氏は、「今後12カ月の間に株式市場は上昇基調を示すと見られるが、投資家は今後数週間の間に起こり得る市場の変動性に注意すべきだ」と助言した。
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