
中国中央テレビ(CCTV)が中国軍の3隻目空母「福建」と艦上戦闘機「J-15T」の映像を公開し、試験航海中の「福建」の戦力化が迫っているとの見方が出ている。
31日の現地報道によると、CCTVは中国人民解放軍の創設98周年を記念するドキュメンタリーを来月1日から放送予定で、前日に予告映像を放映した。映像には核推進の弾道ミサイル潜水艦や超音速ミサイル「DF-17(東風-17)」、ロボット犬、ドローン(無人機)など中国軍の最新装備とともに、「福建」が電磁カタパルト方式で艦上戦闘機を発射しようとするシーンが収められていた。この映像には「福建」の艦上戦闘機「J-15T」の離陸シーンはなかったが、別の映像では空中のJ-15Tの影が「福建」に映る様子が捉えられていた。
また、中国とエジプトが4月末から5月4日まで約18日間、エジプトの首都カイロで実施した初の合同軍事演習「文明の鷲2025」では、「KJ-500」早期警戒管制機、「J-10C」戦闘機、「Z-20」ヘリコプター、「YU-20」空中給油機などがピラミッド上空で編隊を組んで低空飛行する姿も映し出された。これは中国軍がアフリカで体系的な兵力展開を行った初の事例とされる。


中国の軍事専門家、傅前哨氏は「環球時報(グローバルタイムズ)」に対し、この映像が「福建」の重要な節目になるとし、これまでの海上試験で空母と艦上戦闘機の統合試験が行われた可能性が高いと説明した。「福建」が度重なる海上試験を経て艦上戦闘機との映像まで公開されたことから、正式就役が間近との分析も出ている。軍事専門家の魏東旭氏は先月、CCTVに対し「福建」が年内に就役するとの見通しを示していた。中国のSNSでは今月下旬に「福建」が戦力化されるとの噂も流れたが、現時点で軍当局からの発表はない。
2022年6月に進水した排水量8万トンの「福建」は、中国が独自に設計・建造した初の発射装置を搭載した航空母艦だ。中国の1号空母「遼寧」と2号空母「山東」のスキージャンプ台式の艦載機離陸方式ではなく、電磁カタパルト方式を採用したことが最大の特徴である。
航空母艦の甲板から艦上戦闘機を直接発射する電磁カタパルト方式は、限られた時間内により多くの離陸を可能にする。電磁カタパルト装置を備えた空母は、米国の「ジェラルド・R・フォード級航空母艦」に次いで世界で2番目だ。「福建」はJ-15戦闘機やJ-35戦闘機など70機以上の艦載機を搭載できるとされる。
韓国軍当局は、「福建」が昨年5月の初航海以来、少なくとも8回の試験航海を行い、今年5月には黄海(西海)の韓中暫定措置水域(PMZ)内で海上訓練に参加したと把握している。
注目の記事