
イーロン・マスクCEOが率いる人工知能(AI)企業「xAI」が新たに発表した画像・動画生成機能は、成人向けコンテンツの制作まで可能である点から、公開直後より物議を醸している。
xAIは4日(現地時間)、自社の生成AIアプリ「Grok」のiOS版に画像・動画生成機能「Grok Imagine」を搭載したと発表した。この機能は有料会員の「SuperGrok(スーパーグロック)」(月額30ドル・約4,420円)以上のみ利用可能で、テキストや画像をプロンプトとして入力すると、最大15秒の動画を自動生成するサービスである。
形態としてはグーグルの「Veo」、OpenAIの「Sora」、アドビの「Firefly」などと類似しているが、xAIは「スパイスモード(Spice Mode)」と呼ばれる成人向けコンテンツの生成オプションを別途搭載している。一部のユーザーはこの機能を利用して半裸の女性の動画を制作したと主張し、ソーシャルネットワークサービス(SNS)やインターネットのコミュニティ上で共有している。
マスクCEO自身も発表当日、自身のX(旧Twitter)アカウントで「Grok Imagine」で生成した動画を次々と投稿し、機能のプロモーションに乗り出した。公開された動画には、薄く透ける白いレース素材の衣装をまとい、背中に大きな天使の翼を装着した金髪の女性が登場するシーンが含まれていた。「天使」というプロンプトを基に制作されたと見られる。
xAIの性的表現に関する論争は今回が初めてではない。以前のAIベースの対話機能「AIコンパニオン」サービスでも同様の指摘がなされた。この機能はユーザーの好みに合わせた音声およびチャットでの相互作用を提供するが、キャラクターの「アニ(Ani)」は金髪で短い黒のワンピースに網タイツを着用した姿で登場する。さらに、NSFW(Not Safe For Work)を有効にすると、ランジェリー姿へと着替える演出も実装されている。
この機能に未成年者がアクセス可能である点も問題視されている。米国立性的搾取防止センター(NCOSE)は、未成年者がアニと会話できる点を問題とし、xAIに対して当該キャラクターの削除、またはアップル社にGrokアプリの年齢制限を18歳以上に引き上げるよう要請した経緯がある。
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