
トヨタ自動車は7日、米国の輸入車関税引き上げにより約1兆4,000億円の損失が見込まれ、さらに原材料価格の高騰や円高が重なったとして、今年度の営業利益見通しを16%下方修正した。
先週発表した上期決算では、北米、日本、中国市場での需要増を背景に世界生産・販売ともに過去最高を記録したとしたが、関税の影響で利益は大きな打撃を受けた。
『ロイター』によると、トヨタは2026年3月期の営業利益見通しを従来の3兆8,000億円から3兆2,000億円へと約16%引き下げたという。米国の関税により、年間約1兆4,000億円の損失が発生すると見込んでいるためだ。
トヨタはこれに先立ち、4〜5月の2カ月間で1,800億円の損失を試算していたが、年間損失見通しを示すのは今回が初めてだ。
また、4〜6月期(第1四半期)の営業利益は1兆1,700億円となり、前年同期の1兆3,100億円から減少したものの、市場予想平均の9,020億円は上回った。
今回の業績は、米国の輸入車関税が国内自動車業界に与える圧力を示す事例とみられる。日本と米国は先月、通商合意に達し、日本産自動車に対する米国の関税は現行27.5%から15%へ引き下げられる予定だ。ただし、この措置の適用開始時期はまだ発表されていない。
トヨタをはじめとする各自動車メーカーは、リチウムや鉄鋼など主要原材料価格の高騰や円高にも直面している。
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