
ドナルド・トランプ米大統領とウラジーミル・プーチン露大統領による米露首脳会談が、ロシア側に有利な形で事実上の「決裂」に終わったことで、18日(現地時間)に予定されている米ウクライナ首脳会談に暗雲が立ち込めているという。トランプ大統領が停戦合意から方向転換し、平和協議を進める条件として、プーチン大統領の求めるウクライナ東部ドンバス地域の譲歩案を検討しているためだ。
15日にアラスカ州アンカレジのエルメンドルフ・リチャードソン基地で行われた米露首脳会談は約3時間に及んだが、停戦案や追加制裁などの議題で進展はなく、事実上プーチン大統領の勝利に終わったと海外メディアは報じている。
トランプ大統領は18日、ホワイトハウスでウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談し、プーチン大統領の「領土譲歩」要求を伝えるとともに、米露ウクライナの3カ国による協議を提案する構えを見せている。
今回の会談には、欧州連合(EU)のウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長、マルク・ルッテ北大西洋条約機構(NATO)事務総長、フリードリヒ・メルツ独首相、エマニュエル・マクロン仏大統領、アレクサンデル・ストゥブ・フィンランド大統領ら欧州首脳も同行する予定だという。欧州首脳らの参加は、ウクライナに一方的な譲歩を迫る可能性があるトランプ大統領の姿勢をけん制する狙いがあるとみられる。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は16日、トランプ大統領が前日の米露会談後、欧州首脳らに「ゼレンスキー大統領がドンバス地域を放棄すれば、ロシアと平和協議が可能だ」と伝えたと、欧州の高官2人の話として報じた。
また、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、トランプ大統領はこれまで拒んできたウクライナへの安全保障の付与についても再検討する意向を示したという。
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