
イスラエルのイスラエル・カッツ国防相が、ガザ地区北部の人口密集地ガザ市を制圧する軍事作戦計画を承認し、同市が完全にイスラエル軍の支配下に置かれる見通しとなった。
『タイムズ・オブ・イスラエル』など現地メディアによると、カッツ国防相は19日(現地時間)、エヤル・ザミール参謀総長ら軍上層部の報告を受けて承認した。
関係筋によれば、カッツ氏は今回の作戦を「ギデオンの戦車Ⅱ」と命名し、軍の計画と準備態勢を高く評価したという。
イスラエル軍は今年3月、停戦延長交渉が決裂したことを受けて「ギデオンの戦車」作戦で地上戦を再開し、現在までにガザ地区の約75%を掌握している。
これに伴い、軍は予備役約6万人に動員命令を発する予定で、ガザ市攻勢の期間中には最大で13万人の予備役が投入される見通しだと報じられている。
ただし、予備役がガザ市攻略に直接参加するのではなく、他の戦線で正規軍を交代する形となるとされる。『エルサレム・ポスト』は最初の動員規模を約5万人と伝えた。
さらに、カッツ国防相はガザ市から南部への避難を余儀なくされるパレスチナ民間人約100万人に対応する「人道的準備」も承認した。イスラエル軍は近日中にガザ市住民に避難勧告を出すとみられる。
イスラエル当局者は、ハマスによる奇襲攻撃から2年となる10月7日までに避難を完了させる方針で、ガザ南部にテントなど難民キャンプ用設備を搬入し、人道インフラの整備を進める計画だとしている。
もっとも、イスラエルとハマスが停戦や人質解放で合意に至った場合、ガザ市制圧計画は中止される可能性もある。
ハマスは前日、エジプトやカタールなど仲介国が提示した新たな協議案を受け入れる意向を示した。同案は60日間の停戦と引き換えに、イスラエル側の生存中の人質10人を解放する内容となっている。
イスラエルは、生死を問わず全人質の一括解放を主張しているが、内部ではハマスが受け入れた新たな停戦案を検討しているとみられる。
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