
ロシア軍は21日(現地時間)、欧州連合(EU)国境からわずか35km離れたウクライナ最西端のザカルパッチャ州を標的に大規模な攻撃を仕掛けた。この攻撃で多数の民間人が負傷し、米国所有の工場もミサイル攻撃を受けたという。
ロイター通信など海外メディアによると、ロシア軍はこの日の夕方、ザカルパッチャ州ムカチェヴォ市にミサイルとドローン(無人機)攻撃を実施したという。ザカルパッチャ州はスロバキア、ハンガリー、ポーランドと国境を接しており、中心都市のウージュホロドからスロバキア国境まで約35kmの距離にある。
今回の攻撃で、米国所有のフレックス(Flex)工場にも2発のミサイルが着弾し、火災が発生した。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は「ザカルパッチャで米国所有の企業を狙って複数の巡航ミサイルが発射された」と述べ、「この企業は一般の民間企業で、米国の投資で運営され、コーヒーマシンなどの日用品を生産していた」と説明した。
ロシア軍はこの日、リヴィウ地域にもドローンとミサイルによる攻撃を行い、1名が死亡、3名が負傷した。サドヴィー・リヴィウ市長は、この攻撃で幼稚園を含む26棟の建物が損壊したと報告した。
ゼレンスキー大統領は、ロシアが発射した攻撃ドローン57機とミサイル40発のうち、大半は迎撃されたが、一部は被害を免れなかったと述べ、複数の地域で救助活動が進行中だと付け加えた。
さらに彼は、平和交渉について議論されたアラスカ会談とワシントン会談に言及し、「ロシアは世界が戦争を防ごうと努力している事実を無視し、何事もなかったかのように攻撃を行った」と批判した。そして「ロシアが真剣に実質的な交渉に臨み、戦争を終結させようとする兆しは依然として見られない。強力な制裁や関税などの圧力が必要だ」と述べ、国際社会の対応を求めた。
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