「米国との交渉拒否…解決は不可能」イラン最高指導者、トランプ大統領への「挑発」
米国との直接交渉を排除…ペジェシキアン大統領を支持し、内部の引き締めを図る
アヤトラ・アリ・ハメネイ・イラン最高指導者は、イスラエルとの「12日戦争」後初めての公開演説で、米国との直接交渉を拒否し、国内の結束を呼びかけた。
英紙フィナンシャル・タイムズ（FT）、ロイター通信、AFPによれば、ハメネイ師は24日（現地時間）、数千人の聴衆の前で演説を行った。
ハメネイ師はドナルド・トランプ米大統領の名は挙げなかったものの、「現在米国で権力を握る人物はイランに根本的な敵意を示している」と述べ、「彼らはイラン国民とイスラム共和国を屈服させようとしている」と語った。
さらに、米国との直接交渉を支持するイランの政治家を「浅はかだ」と批判し、「イラン国民はそのような要求に断固として立ち向かうだろう」と強調。米国との問題は「解決不可能だ」とも言い切った。
ハメネイ師が戦争後に公の場で演説を行ったのは今回が初めてである。これまでは短い動画メッセージや宗教行事への限定的な参加にとどまっていたが、米国との外交関係再構築を求める改革派の声が高まる中で、交渉拒否を明確に打ち出した形だ。
イスラエルとの戦争後、イラン国内では変革を求める改革派と、対米強硬派による権力闘争が激しさを増していた。一部の強硬派は、改革派のマスード・ペジェシキアン大統領を排除すべきだと主張してきた。
これに対し、ハメネイ師は「敵の狙いはイランの分断だ」と指摘し、内部の引き締めを図った。「国家に尽くす者、特に熱心に働き、粘り強い大統領を支持すべきだ」と述べ、ペジェシキアン大統領への支持を明言した。
イランは6月、自国の核施設がイスラエルと米国の攻撃を受けた後、国際原子力機関（IAEA）との協力を停止した。米国との核交渉も戦争以降中断されたままだが、ウラン濃縮の継続姿勢を崩していない。
ただし、ドイツ・フランス・英国の欧州3カ国（E3）とは先月25日に次官級会談を再開し、今月26日にも後続会談を実施することで合意している。
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