
イーロン・マスクCEOがアップルとOpenAIの協力を独占禁止法違反だと主張し、訴訟を起こした。フィナンシャル・タイムズ(FT)とAP通信の25日(現地時間)の報道によると、マスクCEOのAI(人工知能)スタートアップ「xAI」と、SNSプラットフォーム「X(旧Twitter)」は同日、米連邦裁判所に訴状を提出したという。アップルとOpenAIの提携が競争を阻害したと主張したとされている。
アップルは昨年12月、OpenAIのChatGPTをSiri(アップルのAI音声アシスタント)、文章作成、カメラ機能に導入した。これによりOpenAIは、数十億件のプロンプト(ユーザーがAIに入力する質問・指示・命令文)とユーザーデータにアクセスする潜在的権限を得た。マスクCEOはこれにより、OpenAIが競合他社より有利な学習・改善の機会を得たとして、独占禁止法違反だと指摘した。
さらに、アップルとOpenAIの提携を「違法な合意」と位置付け、アップルがAI分野での革新を怠り、OpenAIに依存する形になっていると非難した。アップルがApp Storeのランキングを操作し、アプリの更新を遅らせたため、xAIが開発したチャットボット「Grok」が不利な立場に置かれたとも主張した。アップルはChatGPTをスマートデバイスに搭載した後、追加の協力計画は発表していないが、GoogleのGeminiをSiriに適用する案は検討したことがある。
今回の訴訟は、マスクCEOが今月初めに両ビッグテック企業を公然と非難し、予告した脅威を実行に移したものだ。当時マスクCEOは、アップルがApp StoreのランキングでOpenAIを優遇したと批判していた。アップルは今回の訴訟について特にコメントを出しておらず、OpenAIは「マスクCEOの継続的な嫌がらせのパターンと一致する」と述べた。
マスクCEOとOpenAIのサム・アルトマンCEOは長年対立関係にある。二人は2015年に共にOpenAIを設立したが、マスクCEOは2018年にアルトマンCEOと衝突して理事会を去り、2023年にxAIを別途で設立した。マスクCEOは、アルトマンCEOがOpenAIを設立趣旨に反して過度に私益を追求する形で運営していると主張し、訴訟を起こしている。
マスクCEOとアップルの対立も今回が初めてではない。マスクCEOは2022年のTwitter買収時、アップルがApp StoreからTwitterを排除しようとしていると批判し、アップルのアプリ内課金の30%手数料を公然と攻撃した。しかしその後、アップルのティム・クックCEOと会談して誤解を解いた。2023年にはアップルがXの広告を一時中断した後に再開し、対立が再燃した経緯がある。
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