「習近平国家主席、金正恩国務委員長招待で主導権誇示 トランプ大統領への示威」―BBC
海外メディア、金正恩国務委員長の北京建国80周年記念パレード出席の意味分析
北中露3か国の結束強化、米韓日3か国の「関税戦争」不安
ウクライナ派兵で接近する北露、金正恩国務委員長招待で北中関係健在

金正恩北朝鮮国務委員長が来月3日に北京で行われる建国80周年記念パレードに出席することは、世界の戦略的地形の変化を象徴している。
金委員長の電撃的な出席がもたらす波紋に注目が集まっている。
ドナルド・トランプ米大統領の関税戦争とロシアのウクライナ侵攻により、中国とロシア、さらにロシアと北朝鮮の関係が緊密化した。その結果、北中露3か国の首脳が初めて一堂に会することとなった。
東北アジアでは北中露3か国の枠組みが形成される兆しが見えている。一方で、これに対抗してきた米韓日の協力体制は、トランプ大統領発の関税戦争によって揺らいでいるとの懸念が広がっている。
安全保障は勢力均衡から生まれるという原則に従えば、建国記念パレードを機に北中露3か国が結束しても、それに見合う米韓日の協力体制が形成されなければ、均衡が崩れ安全保障環境も不安定化する可能性がある。
金委員長の出席が東北アジアの安保環境に与える影響は、これまで以上に不確実性を高めている。
BBCは「金正恩委員長招待で地政学的優位を示すサイン」と報じた。習近平中国国家主席がトランプ大統領に「誰がカードを握っているか」を示す外交的勝利だと分析している。
BBCは、金委員長の出席が予想外の発表であったものの、その重要性は決して小さくないと指摘した。特に、トランプ大統領が25日に李在明大統領との会談で年内に金委員長と再会したいと表明した直後であった点を強調している。
習主席は金委員長の招待を通じ、地政学的優位を誇示するメッセージを送った。金委員長とプーチン大統領に対する影響力は限定的であるにせよ、トランプ大統領よりは大きいことを示したとされる。
ワシントン・ポストも、トランプ大統領が会談計画を明らかにしてからわずか3日で金委員長が習主席の招待を受け入れたと指摘した。プーチン大統領、習主席と共に、西側主導の国際秩序に対抗する姿勢を鮮明にするとの見方を示している。
トランプ大統領は10月末、韓国慶州で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)などを機に東アジアを訪問し、北京で習主席と会談する予定だと報じられている。会談が実現すれば、習主席は金委員長とプーチン大統領に続いてトランプ大統領と相次いで会談することになる。
核開発で国連制裁を受ける金委員長が複数国の指導者とともに天安門城楼に立つことは、孤立した指導者というイメージを払拭する契機にもなり得る。北朝鮮最高指導者が天安門城楼に立つのは、1959年に金日成主席が中国建国5周年記念パレードに出席して以来71年ぶりのことだ。
金委員長が習主席と会うのも、2019年に両者が相互訪問して以来初めてとなる。
BBCはまた、北朝鮮のウクライナ派兵により金委員長がプーチン大統領に接近したことで中朝関係が悪化したのではないかとの見方が出ていたが、今回のパレード出席でその懸念は覆されたと分析している。
金委員長がプーチン大統領や習主席だけでなく、インドネシアやイランなど他国の指導者と共に舞台に立つことは、国際社会での正統性を高める要素になるとみられる。
習主席はトランプ大統領との首脳会談を控え、外交的影響力を強めるための新たなカードを手に入れた。両国は11月初旬まで延期された関税交渉を続けているが、習主席は交渉期間中に最大限の影響力を行使しようとしており、金委員長との関係もその一環となる可能性がある。
ニューヨーク・タイムズは、来月のパレードが米国が最も強く反発する国家指導者や主要な権威主義国家の指導者が直接対話する場となると予測した。習主席が北中露に加え、イランやキューバなど米国主導の国際秩序に長く抵抗してきた国々の指導者も招いたためである。
金委員長にとっては、主要な多国間外交の舞台に初めて足を踏み入れる機会となる。今回の訪中は、ロシアとの関係拡大と同時に中国との関係を軽視していないことを示すものだ。北朝鮮は何よりも中国からの観光客誘致を切望している。
香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は、北朝鮮のウクライナ派兵によって北朝鮮とロシアの戦略的提携が進む中、中国が孤立しているとの見方が出るなかで金委員長の訪中が行われたと報じた。
洪磊外交部副部長は28日、金委員長の出席を発表し、「中国と北朝鮮は山と川で結ばれた友好国だ。両国は互いに支援し、戦争の勝利に大きく貢献した」と述べた。
洪副部長はさらに「中国は北朝鮮との協力を深化させ、地域の平和と安定を促進するために緊密に連携し、両国の友好関係に新たな章を開く用意がある」と語った。
注目の記事