米国のドナルド・トランプ大統領が一週間ぶりに公の場に姿を現し、健康異常説や死亡説を一蹴した。彼は自ら、この噂がSNSを中心に広まった「フェイクニュース」だと断言した。その後、主要政策を発表し、健在ぶりを誇示した。
トランプ大統領は2日(現地時間)、ホワイトハウスで米宇宙統合軍司令部の移転計画を発表した後、記者団との質疑応答で健康問題に関する質問が出ると、「先週末は非常に活発に活動していた」と反論した。

この騒動は、トランプ大統領が先月末に数日間公式日程を入れなかったことから始まった。普段からメディア露出を好む彼が公の場に姿を見せなくなると、SNS上では健康に問題が生じたのではないかという憶測が広がった。「トランプ死亡(#TRUMPDEAD)」というハッシュタグが流行のように広まりもした。
事態の深刻さを察知したホワイトハウスは、急いで火消しに動いた。トランプ大統領がバージニア州にある自身所有のゴルフクラブで孫たちと過ごす様子を撮影し公開したが、騒動は容易に収まらなかった。結局、トランプ大統領自身が直接対応に乗り出した。
トランプ大統領は「先週、記者会見を何度も行い、2日間姿を見せなかっただけで、人々は『彼に何か問題がある』と言い始めた」と述べた。そして、ライバルのジョー・バイデン前大統領を引き合いに出し、「バイデン前大統領は数か月も姿を見せなくても、誰も彼に問題があるとは言わなかった」と付け加えた。
トランプ大統領は、公式日程はなかったものの、保守系のメディア「デイリー・コーラー」とのインタビューや自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿など、活発に活動していたと強調した。

最近オンラインで拡散した「ホワイトハウスの窓から物が投げ捨てられる」動画についても説明を加えた。この動画には、ホワイトハウス2階の窓から黒いバッグなどが投げ出される様子が映っていた。トランプ大統領は、この動画が「人工知能(AI)によって作られたものだろう」と述べ、「ホワイトハウスの窓は防弾ガラスで開かない」と主張した。
トランプ大統領の健康問題は以前から度々取り上げられてきた。7月、ホワイトハウスは彼が慢性静脈不全と診断されたと発表した。これは、脚の静脈の血液循環が円滑でなく、むくみや痛みが生じる疾患だ。当時、主治医は彼が「全体的に優れた健康状態にある」と述べたが、2024年の大統領選に向けて詳細な健康診断記録の公開を避けたことで疑問の声が上がった。
政治アナリストらは、今回の騒動がSNS時代における陰謀論の拡散速度と影響力を示すと同時に、高齢のトランプ大統領の健康状態が有権者にとっていかに敏感な問題であるかを浮き彫りにしたと分析している。AP通信は「79歳の大統領が異例の長さで公の場から姿を消すと、様々な憶測が飛び交った」と報じた。
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