金価格の上昇を追い風に、ビットコイン価格も上昇傾向
前日比2.25%増の11万1,110ドルを記録
イーサリアムも0.72%上昇し、4,231ドルで取引
ドナルド・トランプ米大統領が課した相互関税が違法との控訴審判決を受け、安全資産への選好が高まる中、連邦準備制度の利下げで仮想資産ラリー再開の可能性
ドナルド・トランプ米大統領が課した相互関税が違法とされた控訴審判決により、市場の不確実性が一段と高まる中、金価格は過去最高値を更新した。この金価格の上昇を背景に、ビットコインをはじめとする主要な仮想資産も上昇傾向を示している。

3日、仮想資産情報サイト「CoinMarketCap」によると、同日午前8時30分時点でビットコイン価格は24時間前比2.25%上昇し、11万1,110ドル(約1,654万1,531円)を記録。一週間前と比較すると0.88%の下落となる。
イーサリアムは0.72%上昇し、4,321ドル(約64万3,332円)で取引されている。
ドナルド・トランプ米大統領が課した大半のグローバル関税が違法とする連邦控訴裁判所の判決を受け、市場全体に萎縮ムードが広がった。前日のニューヨーク証券取引所では、ダウ工業株30種平均が前営業日比0.55%下落の4万5,295.69ドル(約674万3,635円)で取引を終え、大型株の指標となるS&P500指数は0.71%安の6,414.68、ハイテク株中心のナスダック総合指数は0.82%安の2万1,279.63で取引を終了した。
一方、同日のニューヨーク商品取引所では、金先物12月限が前営業日比2.16%(76.10ドル、約1万1,330円)上昇し、1オンス当たり3,592.20ドル(約53万4,808円)で取引を終えた。前日に最高値を更新したのに続き、2日連続で終値ベースの過去最高記録を更新。金の現物価格も1.74%上昇し、1オンス当たり3,536ドル(約52万6,441円)で過去最高を記録した。金は利子や配当を生まないため、米国債の実質金利が下落すると上昇する傾向にある。国際金価格は4月にドナルド・トランプ米大統領が相互関税政策を発表した後、過去最高値を突破したが、その後の関税猶予や貿易交渉の進展により、最近までレンジ相場を維持していた。
さらに、連邦準備制度理事会(FRB)が今月中に利下げに踏み切る可能性が高まっていることも金価格を押し上げる要因となっている。ドナルド・トランプ米大統領による繰り返しの利下げ圧力やFRB人事をめぐる解任論争など、中央銀行の独立性への懸念を高めており、安全資産需要をさらに高める要因として指摘されている。
専門家らは、9月にFRBが政策金利を引き下げれば、ビットコインをはじめとする仮想資産のラリーが再開されるとの見方を示している。
ヤン・ヒョンギョンiM証券研究員は「9月の政策金利引き下げは、ビットコインなど仮想資産のさらなる上昇材料となり得る」とし、「米連邦準備制度理事会が昨年9月のFOMCで利下げを実施した際、ビットコインは9月の1か月間で8.19%上昇した」と述べた。
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