閣議で停戦派と占領派が対立し激論

イスラエル軍のエヤル・ザミール参謀総長が、パレスチナ自治区ガザのガザ市占領計画は「軍政につながる」として、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に警告していたことが明らかになった。
1日(現地時間)、イスラエルのニュースサイト「ワイネット」や「タイムズ・オブ・イスラエル」が報じた。両メディアによると、ザミール参謀総長は同日行われたイスラエル内閣会議で、ネタニヤフ首相ら閣僚に対し「あなたたちは軍政に向かっている」と述べたという。
ザミール総長はさらに、「ガザを占領するという決定は軍政につながる。住民の責任を負う他の主体が存在しないためだ」と説明した。これは、イスラエル政府がパレスチナ自治政府(PA)や武装組織ハマスによる統治を認めない以上、占領後はイスラエル軍が直接ガザ市を統治せざるを得ないという意味合いを含む。
ザミール総長はまた、議題にはなかった停戦協定に言及し、停戦を結ぶよう求めた。イスラエルのチャンネル12は、ザミール総長が「枠組みはテーブルの上にある。我々はそれを取るべきだ」と発言したと伝えた。ギデオン・サール外相やギラ・ガムリエル情報相も同調し、停戦によって相次ぐ西側諸国のパレスチナ国家承認の流れを阻止すべきだと主張した。
実際、2日にはベルギーがフランス、オーストラリア、英国、カナダに続き、今月開催される国連総会でパレスチナを国家として承認すると表明した。
しかし、ネタニヤフ首相はガザ占領計画や停戦案受け入れを拒否する姿勢を崩さなかった。ネタニヤフ首相は「ハマスは必ず壊滅させなければならない。部分的な停戦協定には意味がない」と述べた。さらに、3月の停戦終了後に6か月間占領地から撤収すれば、再び奪還に6か月を要するだろうとし、停戦は「高い代償を伴う」とも語った。
極右のイタマル・ベン・グビル国家安全保障相やベザレル・スモトリッチ財務相は一歩踏み込み、むしろ停戦案を閣議に正式に提出し、否決すべきだと提案した。
ネタニヤフ首相は数か月前には、一部の人質返還と引き換えの段階的停戦案を受け入れていたが、ハマスも同意すると態度を翻し、全人質が解放されなければならないと主張している。カタールとエジプトは、生存中の人質約20人のうち10人を先に釈放し、60日間停戦する間に終戦交渉をまとめ、残りを返還するという仲介案を提示していた。
ネタニヤフ首相は、ドナルド・トランプ米大統領から「部分的合意は脇に置き、全力で事を終わらせろ」と言われたと述べ、停戦案に反対する理由を説明した。
前夜にテルアビブで開かれたこの会議は、2日午前1時45分ごろまで6時間にわたり激論が交わされたとイスラエル・メディアは伝えている。
また、極右のオリット・ストルーク入植・国家任務相は、申命記20章8節の「恐れて心の弱い者がいるか。彼は家に帰るがよい。彼の兄弟たちの心も彼の心のように弱くならないように」という聖書の一節を引用し、停戦を主張するザミール参謀総長を揶揄したと、イスラエル公共放送カンが報じた。これに対し、ザミール総長はネタニヤフ首相に「盲目的な服従を望むなら他の者を使えばいい」と反論した。ネタニヤフ首相は「盲目的な服従を望んではいないが、線を越える者も望まない」と応じた。
ストルーク相は発言が波紋を呼ぶと、自身のXに「兵士たちの士気低下の危険を警告しただけで、会議出席者を臆病者と呼ぶ意図はなかった」と書き込んだ。
さらにネタニヤフ首相は、非公開会議の内容が報道されたことについて「団結と戦う意思を損なうものだ」として、ザミール総長を叱責したとチャンネル12が伝えている。
コメント0