
中国の戦勝80周年記念軍事パレードが3日、北京の天安門城楼で開催され、習近平国家主席、金正恩国務委員長、ウラジーミル・プーチン大統領が並んで姿を現した。1959年以来、66年ぶりに北朝鮮・中国・ロシアの首脳が一堂に会し、米国主導の自由主義的国際秩序に正面から挑む姿勢を示した。
式典での演説で習主席は「今日、人類は再び、平和か戦争か、対話か対立か、互恵協力かゼロサムゲームかという選択に直面している」と述べ、「すべての国家と民族が互いを平等に扱い、協調し、支え合うことでのみ、共通の安全を維持し、戦争の根源を取り除き、歴史的悲劇の再発を防ぐことができる」と強調した。特定の国名には触れなかったものの、トランプ政権時代に米国が各国との間で「関税戦争」を展開し、国際秩序を揺るがした状況を意識した発言とみられる。
今回、中国は北朝鮮・中国・ロシアを含む26か国の首脳を前に、米本土を射程に収める最新鋭の核弾頭搭載大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風-61」、米太平洋艦隊を狙う極超音速対艦ミサイル「鷹撃-17」、さらには超大型無人潜水艇など、先端兵器を披露した。CNNをはじめとする欧米メディアは、この軍事パレードと習主席の演説を「中国主導の新たな国際秩序の構築を宣言したもの」と報じた。
同日、トランプ大統領は自身のSNS「トゥルースソーシャル」で習主席に向け、「中国が極めて敵対的な侵略者(日本)から自由を取り戻す際、米国が行った多大な支援と犠牲について言及すべきだ」と主張し、さらに「あなたと共に米国に対抗する策を練っているプーチン大統領と金正恩委員長によろしく伝えてほしい」と述べ、不快感を示した。
北朝鮮とロシアも、この戦勝記念行事を通じてそれぞれの利益を追求するとの見方が強い。北朝鮮は中国やロシアなどから事実上の核保有国と認められたとの指摘があり、米朝対話や日米韓の連携による非核化は一層困難になると分析されている。世宗研究所の鄭成長副所長は「金正恩委員長はプーチン大統領に次ぐ厚遇を受けた。これは『事実上の核保有国』となったことで高まった北朝鮮の地位を示すものだ」と述べた。
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