米名門ノースウェスタン大学総長、トランプ政権の圧力で辞任
反ユダヤ主義への対応不足により研究費7億9,000万ドル(約1,169億円)を停止…シル総長「新リーダーを迎える適切な時期」

キャンパス内の反ユダヤ主義への対応が不十分だったとして、米トランプ政権からの圧力にさらされていたノースウェスタン大学のマイケル・シル総長が辞任すると、大学側が4日(現地時間)に発表した。
シル総長は大学関係者へのメッセージで「これまでの進展と今後の課題を踏まえ、今こそ新しいリーダーがノースウェスタン大学を次の段階へ導くべき時期だと判断した」と述べ、「理事会と協議のうえ、総長職を退くことを決断した」と語った。
さらに「連邦政府レベルで依然として難題が残っていることは認識している」とし、「学問の自由や誠実性、独立性を守りながら、大学の研究使命と卓越性を引き続き維持することが重要だ」と強調した。
シル総長は暫定総長が任命されるまで職務を続け、その後、サバティカルを経て法学部の教授として復帰する予定である。
トランプ政権は昨年4月、ノースウェスタン大学がキャンパス内の反ユダヤ主義に十分対応できなかったとして、7億9,000万ドル(約1,169億円)の助成金支給を停止した。
イリノイ州にある名門私立大学のノースウェスタン大学は、非アイビーリーグ校としては初めて連邦助成金が打ち切られる事例となった。
同大学を含む米主要大学では、2023年のガザ戦争勃発以降、キャンパス各地で反戦デモが相次いでいた。
ユダヤ系団体は、ガザ戦争反対の占拠デモの際、シル総長がテント撤去の見返りとしてパレスチナ系学生に奨学金を提供し、デモ隊と和解したことを強く非難した。その後、ノースウェスタン大学はトランプ政権の標的となっていた。
シル総長は最近、米議会下院教育委員会に非公開で出席し証言を行った。委員長のティム・ウォルバーグ議員(共和党・ミシガン州)は、シル総長に再度の出席を求める書簡を送り、ノースウェスタン大学の改革は十分な成果を上げていないと指摘したと、ニューヨーク・タイムズ(NYT)が報じている。
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