トランプ全面支援の男、英国首相の座へ突き進むか
ナイジェル・ファラージ改革党代表の訪米が大反響
トランプと特別な関係、夕食会にMAGA幹部が大集結
米議会では英国の「言論弾圧」を非難
次期総選挙で多数獲得、政権交代シナリオも浮上

「私はトランプ大統領とMAGA運動を一貫して支持してきた唯一の人物だ。誰も振り向かない時も信念は揺るがなかった。次の総選挙で勝利すると確信している」――ファラージはこう語った。
今週のワシントン政界で最も注目を集めているのは、強硬保守の改革党を率いるファラージの訪米だ。3日、米下院司法委員会で英国における言論弾圧と「キャンセルカルチャー」の蔓延について証言。自国の現状を米議会で糾弾する異例の姿は、トランプを中心とするMAGA陣営の問題意識と直結するテーマだった。さらに9月開局予定の保守系チャンネル「GBニュース」ワシントン支局の開設パーティーには、ルトニック商務長官やレビット報道官らトランプ政権幹部が総出動し話題をさらった。
ファラージは1993年の英国独立党創設メンバーで、1999年から5期にわたり欧州議会議員を務めた。長年EU離脱を唱え、2016年のブレグジットで一躍脚光を浴びた。だが政治的慣例を無視し、相手を痛烈に嘲笑するスタイルから反発も根強い。不法移民追放やPC打破を主張し、米保守派との距離を急速に縮めた。保守政治行動会議(CPAC)の常連で、トランプが無名から大統領候補へ駆け上がる足場となった舞台でもある。今回の訪米について、スターマー英首相は「非愛国的」と強く批判した。
改革党は下院650議席中わずか5議席にとどまるが、昨年5月のユーガブ調査では支持率29%で労働党を逆転。補選でも牙城を崩すなど旋風を巻き起こし、次期総選挙では多数獲得から政権奪取の可能性まで囁かれている。ファラージはワシントンの高級社交クラブ「ネッズ」で「ブレグジットがトランプ勝利に影響したように、今度は米国の成功が英国に返ってくる」と語り、会場はMAGA人脈で埋め尽くされた。
さらにトランプともオーバルオフィスで会談。GBニュースのキャスター、ベヴ・ターナーがX上でトランプを取材したと明かし、「トランプはユーモラスで英国への関心も強かった。言論の自由をめぐり多く語り合った」と振り返った。ファラージはGBニュースから年150万ドル(約22億円弱)の報酬で夜の番組を担当予定だとされる。「首相官邸に入れば難しくなるかもしれないが、慣例など無視して続けるだろう」と豪語した。議会では「言論の自由は民主主義の土台だ。我々はそのために二度の世界大戦を戦った」と強調し、「不快だという理由だけで処罰するキャンセルカルチャーが英国を蝕んでいる。我々はいつ北朝鮮になったのか」と痛烈に訴えた。
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