
ガザ市で初の避難警告、地上戦間近か
カタール・ドーハ空爆に国際社会が反発
イスラエルは9日(現地時間)、ハマス指導部を標的にカタールの首都ドーハで空爆を実施した。この攻撃は、イスラエルがハマスに「降伏しなければ全滅させる」と最後通告を突きつけ、緊張が最高潮に達する中で行われた。ガザ地区の人口密集地であるガザ市の住民には即時避難が通告され、地上戦突入が目前に迫っているとの見方が出ている。
ロイター通信によると、欧州連合(EU)など国際社会はイスラエルのカタール空爆に直ちに反発し、中東での暴力拡大のリスクを警告した。EUのカヤ・カッラス外交・安全保障上級代表はソーシャルメディアで「EUの戦略的パートナーであるカタール当局と国民に全面的な連帯を示す」と述べ、「ガザ地区での戦闘のいかなる拡大も避けなければならない」と強調した。
イスラエル国防軍(IDF)は同日午後3時50分ごろ、ドーハに居住するハマス最高指導部の拠点を空爆したと発表した。
一方、イスラエル軍はガザ市でさらに大規模な軍事作戦を展開する計画で、前例のない全面戦争が差し迫っているとの観測が出ている。イスラエル軍はガザ市住民に「直ちに避難せよ」と警告した。2023年10月7日のハマスによる奇襲攻撃以降、ガザ市全体に避難命令を出したのは初めてであり、ハマスに白旗を掲げさせる狙いとみられる。
これまでイスラエル軍はガザ市に対して限定的な攻撃を行ってきたが、本格的な地上戦は行っていなかった。イスラエルは地上戦突入に先立ち高層ビルを爆撃し、ハマスに無条件降伏と人質解放を要求している。
イスラエル・カッツ国防相は8日、ガザ市の高層ビル30棟を破壊したと明らかにした上で、「ハマスが武器を捨て、全人質を解放しなければ、彼らの都市は破壊され、全滅するだろう」と警告し、最後通告を突きつけた。
これに対し、ハマスは「独立国家が樹立されない限り、武装解除要求には応じられない」と反発している。
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