「この地域の不良は誰か」…イスラエルのドーハ攻撃に、休戦仲介国カタールが強く反発

イスラエルが9日(現地時間)、パレスチナ武装組織ハマス幹部を狙い、カタールの首都ドーハを空爆したことに対し、休戦仲介を担ってきたカタールが強い不快感を示した。
AFP通信やCNNなどによると、カタールのムハンマド・ビン・アブドゥルラフマン・アール・サーニー首相は会見で、イスラエルによるドーハ攻撃について「国家テロとしか言えない」と述べ、強い怒りをあらわにした。
サーニ首相はさらに「今回の攻撃は、地域全体に『この地に悪党が存在する』というメッセージを送るものだ」と批判し、「世界はこの地域の不良が誰なのか、より明確に知る必要があるのか」と問いかけた。

サーニ首相は、攻撃発生から10分以内に米国からカタールへ連絡があったと明らかにし、イスラエルがレーダーに探知されない兵器を使用したと主張した。イスラエル側も今回の攻撃に10機以上の戦闘機を投入したことを認めており、実際、レーダーを回避できる米国製ステルス戦闘機F-35Iを保有している。サーニ首相はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相について「自己愛的妄想に陥っている」と激しく非難した。
一方で、イスラエルの攻撃にもかかわらず、ガザ地区戦闘の休戦仲介は継続する考えを示した。サーニ首相は「カタールの外交はイスラエルのような国の行動に左右されない」と述べ、「外交的仲介はカタールのアイデンティティの一部であり、地域と住民の安定のため今後も役割を果たしていく」と強調した。ただし、イスラエルのドーハ攻撃によって情勢が大きく変わったとし、休戦仲介の行方が不透明になったことを示唆した。
イスラエル軍は9日午後3時50分ごろ、ドーハのハマス政治局幹部が居住する建物を空爆し、大きな爆発とともに煙が上がった。爆発直後、イスラエル国防軍は声明を発表し、「軍とイスラエル保安庁はハマス幹部を狙い精密攻撃を行った」と説明した。民間人被害を最小化するため精密兵器を使用したとし、「ハマス壊滅に向けて作戦を継続する」と強調した。
アラブ系衛星局アルジャジーラは、ハマスの休戦交渉代表団がドナルド・トランプ米大統領の提案について協議していた最中に攻撃が行われたと伝えている。
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