
英国政府は15日(現地時間)、最近ロシアのドローン(無人機)が相次いでポーランド及びルーマニアの領空に侵入したとして、英国のロシア大使を招致し強く抗議、さらにポーランドに戦闘機を急派すると発表した。
AP通信やBBCなどによると、英国外務省は、ロシアが「前例のない北大西洋条約機構(NATO)の領空侵入」を行ったと非難し、ロシアのアンドレイ・ケリン駐英大使を招致した。外務省は声明で「過去9〜10日、ロシアのドローンがポーランドの領空を大規模に侵入し、さらに13日にはルーマニアの領空にも無断で進入した」とし、「これは決して容認できない行為である」と批判した。
声明はさらに「ロシアのこのような継続的な侵略行為は、むしろNATO同盟国間の結束を強化し、ウクライナ支持の我々の意志をさらに確固たるものにするに過ぎないことを理解すべきだ」と述べ、「今後同様の事態が発生した場合、我々は再び武力で対応する」と警告した。また、外務省は「英国はポーランド、ルーマニア、ウクライナをはじめ、すべてのNATO同盟国と連帯し、このような無責任な行為を全面的に非難する」とし、ロシアに対して不法な侵略戦争を直ちに中止するよう促した。
これに先立ち、10日にロシアのドローンが数回にわたりポーランドの領空に侵入した際、NATO戦闘機が出撃し、迎撃作戦に入った事例がある。欧州連合(EU)の高官は今回の事件を「意図的な挑発」と位置付け、「ロシアのウクライナ戦争が隣接国に拡大する可能性という既存の懸念を再び浮き彫りにする重大事態である」と指摘した。これに対し、ロシアは「ポーランドを標的としたものではない」と釈明し、ロシアの同盟国であるベラルーシも「ドローンが電子妨害により軌道を逸脱した」と主張した。
欧州各国は今回の事態を明らかな故意と捉えている。2022年2月末のロシアによるウクライナ全面侵攻以降、ポーランドの領空は何度も侵入を受けているが、このような大規模な事例は初めてである。ルーマニア国防省も13日、ロシアドローン1機が一時、自国の領空に侵入したことを受け、F-16戦闘機2機を緊急出撃させた。これに関連して、英国国防省は15日、声明を発表し、ユーロファイター タイフーン戦闘機をポーランドの領空防衛任務に投入するとした。
戦闘機の派遣は「イースタン・セントリー(Eastern Sentry)」作戦の一環として、デンマーク、フランス、ドイツなど欧州主要国と共同で実施される。英国国防省は「今回の作戦には戦闘機の他、軍艦、対空ミサイルシステム、領空パトロール及び地上防衛システムが投入される」と説明した。英国のキア・スターマー首相は「ロシアの無謀な行動は欧州の安全保障に対する直接的な脅威であり、国際法違反である」と述べ、「英国はNATO東部戦線防衛強化のための『イースタン・セントリー』作戦を全面的に支持する」と宣言した。
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