
米中両国は、中国の動画共有アプリ「TikTok」の米国事業売却について合意に達した。長年未解決だった懸案を受け、19日の首脳間通話において、ドナルド・トランプ米大統領の訪中実現への道筋が注目される。
ブルームバーグなどによると、両国は15日(現地時間)までの2日間、スペイン・マドリードで開催された第4回貿易交渉において、米ソフトウェア企業「オラクル」などの投資家連合によるTikTokの米国事業買収案で合意に達したという。
オラクル、ベンチャーキャピタルの「アンドリーセン・ホロウィッツ」、投資ファンドの「シルバーレイク」を含む連合が新法人の80%を取得し、親会社「バイトダンス」など中国側の持株は20%未満に減少する。オラクルはTikTokにクラウドサービスを提供しており、ラリー・エリソンCEOはトランプ大統領と親密な関係にある。
米国事業の価値が400億ドル(約5兆8,800億円)に上るTikTokは、主に若年層を中心に1億7,000万人の米国人ユーザーを抱えている。ジョー・バイデン前政権時代には、中国共産党による個人情報窃盗やハッキングの懸念から「国家安全保障上の脅威」とされ、昨年4月には米国内の事業権売却を強制する「TikTok禁止法」が成立している。トランプ大統領は再任後、法の施行を3度延期し、中国側への売却を迫ってきた。
トランプ大統領は16日、英国訪問前にホワイトハウスを出発する際、「中国と合意に達した」と述べ、「金曜日(19日)に中国の習近平国家主席と通話し、すべてを確定させる」と語った。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は17日、トランプ大統領の訪中交渉が最終段階にあるものの、「実現は(中国の)米国産大豆やボーイング機の購入にかかっている」と伝えた。
コメント0