
米国のドナルド・トランプ大統領(79)が、自身の資産増加を追及するオーストラリアの記者に激怒し、「黙れ」と叫ぶ瞬間が記録された。オーストラリア放送協会(ABC)所属の記者は16日(現地時間)、ホワイトハウス芝生での記者会見でトランプ大統領に「再び政権を担った後、資産はどれほど増えたか」と問いかけた。トランプ大統領は「わからない」と答え、「家族事業は子どもたちが運営しており、私が直接関与した取引のほとんどは大統領就任前のものだ」と述べた。
実際、米政府倫理局の公開資料によると、トランプ大統領は昨年のみで6億ドル(約883億4,403万円)相当の所得を記録したという。長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏と次男エリック・トランプ氏が設立した仮想資産プラットフォーム「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」では5,735万ドル(約84億4,422万円)の収益を上げ、フロリダ州のゴルフリゾートでは最低2億1,770万ドル(約320億5,416万円)の売上を計上している。さらに、NFT商品、トランプブランドの時計やスニーカー、さらには聖書の販売まで手がけ、多様な収益源を確保している。
記者が「現職大統領としてこれほど多くの事業活動に関与するのは適切か」と再び問いかけると、トランプ大統領の表情は一変した。彼は「君はどこの出身だ」と問い返し、記者がオーストラリア出身であると分かるや否や、態度を豹変させた。

トランプ大統領は「君は今、オーストラリアに大きな害を与えている」と攻撃的な態度を示した。さらに「彼らは私と良好な関係を築きたいと思っている」と述べ、「君の指導者(オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相)がまもなく私に会いに来るが、その際に君の話をするつもりだ。君は非常に悪い雰囲気を作っている」と批判した。
記者がさらなる質問を試みると、トランプ大統領は一言「黙れ(Quiet)」と言い放ち、会話を強制的に打ち切った。一部の記者の質問を、個人的な不快感を超えて国家間の外交問題にまで拡大解釈する姿勢を見せた。
オーストラリア政府は、自国の記者を擁護する立場を明確に示した。オーストラリアのジム・チャーマーズ財務相は「ABCとその独立性を尊重し、記者会見で記者が正当に提起する質問に口を挟まないことも含まれる」と述べた。チャルマーズ財務相は「記者たちには果たすべき役割があり、私の知る限り、その記者はワシントンDCで単に自分の仕事をしていただけだ」と付け加え、トランプ大統領のメディア圧力に正面から対抗した。
トランプ大統領の再選後、米豪関係には多くの課題が山積している。トランプ政権はオーストラリアに対し、国防費をGDP比現在の2%から3.5%へ引き上げるよう要求している。ジョー・バイデン前政権時に締結された安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」の再検討も進行中だ。さらに、対米貿易赤字国であるオーストラリアに10%の相互関税を課したことに対し、国内で反発が高まっている。
コメント0