
世界中で関税を巡る対立が続く中、米国のドナルド・トランプ大統領は、長年対立してきた中国およびインドとの関係改善の兆しを見せている。TikTok問題で中国と基本的な合意に達したトランプ大統領は、16日(現地時間)、SNSの「トゥルース・ソーシャル」で「友人であるインドのナレンドラ・モディ首相と素晴らしい電話会談を行った」と述べ、さらに「心からの誕生日祝いを伝えた」と明かした。加えて「ロシアとウクライナの戦争終結に向けたあなたの支持に感謝する」と付け加えた。
同日、モディ首相は、SNSの「X(旧Twitter)」でトランプ大統領を「友人」と呼び、75歳の誕生日を祝ってくれたことに感謝の意を表明した。モディ首相は「私もあなたと同様、インドと米国の包括的なグローバルパートナーシップを新たな段階へ引き上げるために全力を尽くしている」と述べ、「ウクライナ紛争の平和的な解決に向けたあなたの構想を支持する」と付け加えた。
この日、ソーシャル・メディア上でトランプ大統領とモディ首相の両首脳が、ウクライナ戦争の終結について一致した意見を示すメッセージを発信した。貿易交渉での対立や、インドによるロシア産原油購入が問題視され、トランプ大統領がインドに対して合計50%の関税を課したことで冷え込んでいた両国間の「ブロマンス」が再び蘇るかどうかが注目されている。
両国の貿易交渉も再開された。ブルームバーグによると、米国とインドの代表団はこの日、インドの首都ニューデリーで貿易交渉を実施したという。米国側は米国通商代表部(USTR)のブレンダン・リンチ南アジア・中央アジア担当代表補が、インド側はインド商工省商務局のラジェシュ・アグラワル特別次官が代表団を率いた。今回の会談再開は、中国に対する懸念を共有する両国が、インド太平洋戦略のパートナーとしての重要性を再確認する機会となる見込みだ。
米中対立の大きな障害であったTikTok問題を乗り越えた米中間だが、トランプ大統領の中国訪問には依然として課題が残るという報道があった。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は17日、「トランプ大統領の訪中交渉は最終段階にあるが、成否は米国産大豆およびボーイング機の購入にかかっている」と伝えた。SCMPは情報筋を引用し、「今月第1週に中国側がトランプ大統領に国賓訪問の正式な招待状を送った」と報じた。
米国はTikTokの売却に続き、米国産大豆およびボーイング機の購入増加を中国に要求している。トランプ大統領は先月、「中国には早急に大豆の注文を4倍に増やしてほしい」と述べたが、中国政府は特に動きを見せていない。航空機需要が増加している中国だが、実際のところ購入契約の締結を急いでいない様子だ。
また中国訪問後、出国禁止になっていた米金融大手ウェルズ・ファーゴの幹部が、米中当局間の交渉の結果、最近出国禁止が解除され、米国へ帰国可能になったとロイター通信が17日に伝えた。これは、米中首脳会談実現に向けた雰囲気作りの一環と見なされている。
一方、TikTokの売却に関しては、米国の投資家が約80%の株式を保有することになるとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が16日に報じた。新たな法人の株式は米国の投資家が約80%を保有する一方で、TikTokのアルゴリズムは親会社の中国「バイトダンス」からライセンス方式で借用することで解決される見通しだ。
情報筋によれば、TikTokの米国事業は、米国のソフトウエア大手「オラクル」と、「シルバーレイク」、「アンドリーセン・ホロウィッツ」を含む投資家コンソーシアムが管理することになるとの見込みだという。
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