
ドナルド・トランプ米大統領は、自身の資産増加問題を問いただすオーストラリア特派員と激しく口論し、「君のところの首相にこの事実を伝えておくからな」と述べた。トランプ大統領は23日(現地時間)、国連総会においてオーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相と会談する予定だ。
英BBCなどは、トランプ大統領が今月16日(現地時間)、ホワイトハウスの庭で記者団との質疑応答を行った。その際、ABCニュースの特派員が「今年1月の再就任以降、どれだけ資産が増えたのか」と質問すると、トランプ大統領は「わからない」と答え、「家族の事業は子供たちが運営しており、私が直接関与した取引のほとんどは大統領就任前のものだ」と説明した。
米政府倫理局(OGE)は6月に、トランプ大統領が昨年、仮想通貨や不動産収入などで6億ドル(約883億4,130万円)の所得を得たと発表していた。特派員が「現職大統領としてこれほど多くの事業に関わることは妥当か」と追及すると、トランプ大統領は不快感を示し、「君はどこの所属だ」と逆質問。特派員がABCだと答えると、トランプ大統領は「君は今、オーストラリアに大きな損害をもたらしているぞ」と反論した。
さらに、トランプ大統領は「彼らは私と良好な関係を築こうとしている」とし、「君の指導者であるアルバニージー首相が間もなく私に会いに来るが、その際に君の話をするつもりだ。君は非常に雰囲気を悪くしている」と批判した。追加で質問しようとすると、トランプ大統領は人差し指を口に当て「静かにしたまえ(Quiet)」と言い、記者への質疑応答を打ち切った。
アルバニージー首相は当初、今年6月にカナダで開催された主要7か国(G7)首脳会議でトランプ大統領と初めて対面する予定だったが、トランプ大統領がイスラエル・イラン問題に集中するため急遽日程をキャンセルし、実現しなかった。これにより、来週ニューヨークで開催される国連総会が、両国首脳による初の対面会談となる見込みだ。アルバニージー首相は「トランプ大統領が来週火曜の夜にレセプションを主催する」とし、「年内に行われる様々な首脳会談でも再び彼と会うことになるだろう」と述べた。
米豪関係は、トランプ大統領の再任以降、不確実性が増している。特に、米国側は豪州に対し、国防費支出をGDP比2%から3.5%に引き上げるよう要求しており、また、AUKUS(米英豪3国間の軍事同盟)による核潜水艦協定についても再検討が進められている。
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