
最近、米ジョージア州で韓国人労働者317名が米国の移民当局に拘束された後、劇的に釈放された。この状況を受け、米国のドナルド・トランプ大統領は「高度専門職ビザ」と呼ばれる「H-1Bビザ」の手数料を年間10万ドル(約1,483万4,989円)に大幅引き上げる大統領令に19日(現地時間)署名した。米国に進出した韓国企業におけるビザに関する問題が深刻化し、対米投資への足かせになる可能性が懸念されている。
AP通信やフィナンシャル・タイムズ(FT)など海外メディアによると、トランプ大統領は大統領令に署名した後、「彼ら(テクノロジー業界)は非常に喜ぶだろう」と述べたという。ホワイトハウスの文書担当秘書官であるウィル・シャーフ氏(Will Scharf)は「この措置により、企業が今後採用する人材が高度な技能を有し、米国人労働者で代替できないことが保証される」と説明した。
ハワード・ラトニック米商務長官は、この手数料は雇用主が負担すべきであり、「すべての大企業」が対象になるだろうと述べた。さらに「今後、大手テクノロジー企業や大企業が外国人労働者の訓練に乗り出すことはなくなり、もし誰かを訓練するとすれば、それは米国の有名大学を最近卒業した人材になるだろう」と付け加えた。
H-1Bビザは、科学・技術・工学・数学(STEM)分野の専門職向けに適用されるビザで、抽選による年間発給数は8万5,000件に制限されている。基本的に3年間の滞在が認められ、延長も可能で、永住権の申請もできる。現時点で、H-1Bビザの申請手数料は215ドル(約3万1,892円)で、雇用主が追加で負担する費用は780ドル(約11万5,702円)になっている。
トランプ大統領は、H-1Bビザの発給が米国人の雇用機会を奪っていると見なしている。中国人やインド人の割合が高いH-1Bビザを活用し、企業が低コストで外国人労働者を雇用することで、米国人の雇用機会が減少しているとの考えだ。FTによれば、昨年約40万件のH-1Bビザ申請が承認されたという。

トランプ大統領のこの措置は、米国に進出している韓国企業にも悪影響を及ぼす可能性がある。米国内に工場や生産ラインを構築する韓国企業は、技術者を短期派遣している。通常、駐在員ビザ(L-1)やH-1Bビザの取得は困難なため、短期出張・商用ビザ(B-1)や無ビザのまま電子渡航認証システム(ESTA)を利用して就労していた。今回のジョージア州での拘束事件は、韓国人労働者が適切なビザを持たずに就労していたことを米国移民当局が問題視したことが原因である。
経済界は、韓国人専用の就労ビザ(E-4)を新設し、年間割当数を約1万5,000件に設定すべきだと主張している。現在、韓国外務部はビザ問題解決のための米韓作業部会の新設に向けて米国側と協議を進めている。
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