
ウォーレン・バフェット氏率いる「バークシャー・ハサウェイ」が、中国の電気自動車メーカーBYDの全株式を売却した。
CNBCが21日(現地時間)に報じたところによると、BYDを保有していたバークシャーの子会社、「バークシャー・ハサウェイ・エナジー」の第1四半期財務報告書には、3月31日時点でのBYDへの投資価値が「0」と記載されていたという。バークシャーの広報担当者は、BYDの全株式売却を確認している。
バフェット氏は売却の具体的理由については明かしていない。2023年のCNBCインタビューで、彼はBYDを「非凡な人物が率いる非凡な企業」と評し、「その資金でより魅力的な投資ができると思う」と述べた。
同時期、バークシャーはTSMCの株式約40億ドル(約5,929億6,151万円)相当も売却している。米中間の地政学的緊張が高まる中、金融界ではこれを「リスク管理の観点からの戦略的判断」と見る声もある。
バークシャーのBYD株取得は17年前、投資家チャーリー・マンガー氏の助言によるものであった。マンガー氏は2009年の年次株主総会で「バフェット氏と私が狂っているように見えるかもしれないが、私はこの会社とBYDの王伝福CEOを『奇跡』だと考えている」と語った。CNBCによれば、この決断は驚くべき成果をもたらしたという。バークシャーの保有期間中、BYDの株価は約3,890%上昇した。
CNBCは、バフェット氏が長期的視点を重視する点で米国のドナルド・トランプ大統領と共通の見解を持つと分析している。トランプ大統領は最近、SNSの「トゥルース・ソーシャル」で、米企業は現行の四半期ではなく半年ごとに業績を報告すべきだと主張した。
また、バフェット氏は2018年にJPモルガン・チェースのジェームズ・ダイモンCEOとともにウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に共同寄稿し、「金融市場が短期的成果に過度に集中している」と指摘、四半期業績ガイダンスがこの傾向の主因であると論じた。
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